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濃厚な生活 [徘徊/旅行]

 ここ数日、各地で雪が降っているようです。南国の当地でもみぞれがふっていました。静けさのなかに雪降り積む・・・。

  いくたびも雪の深さを尋ねけり  (子規)

 仰臥の生活をおくる正岡子規の視線が感じられます。

 三年ほどまえ、根岸の子規庵へ行ったことがあります。JR 山手線鴬谷駅の近くです。子規はここに明治27年から没するまでの八年間を暮らしています。

IMG_1168.JPG

 建物は再建したものですが、子規の生活空間の雰囲気が感じられます。たしかに鶏頭も植わっていそうです。

 関川夏央『子規、最後の八年』(講談社)という本があります。子規と、またその周囲での確執のもようなど読みごたえがあります。それにしても、三十五年の濃厚な人生に圧倒されます。


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都市に紛れこむ [徘徊/旅行]

 パリでいろいろな問題が起こっています。いろんなことがおきるのが国際都市のゆえんなのでしょう。1976年に始めてパリに行ったとき、コンコルド広場に立って、ここがギロチンの場所かと、歴史を身近に感じました。

 1988年に2回目に出かけたときは、パリ東駅からドイツ・マンハイム方面行きの列車に乗りました。第二次世界大戦では兵士たちが輸送された路線です。車内でモロッコ人の青年と隣り合わせました。

 1999年にでかけたときは、モンマルトルから南へ向かって歩いていると、ダビデの星の目立つ通りにまぎれこみました。 歩き疲れて、ノートルダム寺院前の広場にすわっていると、いろいろな様子の変わった人たちが通り過ぎてゆきます。老若男女どことなく、それぞれに異様です。これが都市というものなんだと思いました。

 世界はいつもどこかで不安定です。また出かけるときがくるのか・・・自分にも分かりません。街を歩きまわる不安定な気分がわいてくるか・・・。



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木枯らしの散歩 [徘徊/旅行]

 日曜日の朝、一歩、外に出て風の冷たさに驚きました。週末に同窓会があって、神戸にでかけていました。

 神戸は坂が多いので、歩きまわると少しは運動になります。合間に三宮駅の隣のビルでCDを物色し、センター街の淳久堂で本を眺めたりしました。最近は購買意欲がうすれているようで、何も買わずに出てきました。

 会合で聞こえてきた話は、日本人はちょっとビルが傾いたくらいで騒ぎすぎる、某国にはそんなビルがいっぱいある、イタリアには傾いたのが値打ちのピサの斜塔すらある・・・とりとめのない笑い話です。 阪神淡路大震災で、わたしの兄は住むマンションが少し傾き、建て替えるかどうか住民の意見が分かれて苦労していました。

 中華料理の匂いのただようあたりを通り抜け、ガード下をくぐり抜け、道に迷いながら、ひごろ使わない筋肉を鍛えました。木枯らしで、あちこちに落ち葉が吹きよせられていました。



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選択肢の多寡 [徘徊/旅行]

 先週は集会があって品川へでかけてきました。話しを聞いていると、日頃の勉強不足に多々気付かされます。

 品川は上野東京ラインが開通して、かっては直通で行けなかった場所へ便利につながっていました。数分ごとに色々な種類の電車がやって来るので、選択肢がひろがります。一日に数便しかバスのこない地方から出かけてくると、その格差の大きさに驚きます。多くのことで機会は均等ではありません。

 昼食を食べようとしても、選択に迷いますが、結局はおむすびくらいになってしまうのは、身に付いてしまった習慣のようなもので、変えようがありません。選択肢が増えても、選ぶものは案外、決まったものなのかもしれません。

 東京駅の前には、巨大な本屋さんがありますが、本が在りすぎて、あれもこれもと思いますが、ただ茫然と眺めるだけで、疲れ果てます。こじんまりとした店のほうが買いやすいようです。

#「新書でも買って」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2017-03-30


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秋風ぞ吹く [徘徊/旅行]


 休みが続くので、空港へ見送りにでかけたり、気になっていたお見舞いに伺ったりしました。東京で一日の余裕があったので、朝おきて、どっかへ出かけようと思いました。鎌倉でもと考えたのですが、ひとが多そう・・・ということで、ふと白河の関へ行ってみたくなり、東北新幹線「なすの」に乗りました。

IMG_1558_2.JPG

 奈良・平安という古い時代の関なので、長いあいだ場所もさだかではなく、江戸時代後期になって白河藩主の松平定信が探索して、現在の位置に決めたそうです。

  都をば霞とともにたちしかど秋風ぞ吹く白河の関 (能因)

 能因は988年の生まれですが、そのころには関はあったのでしょうか。それとも既に歌枕に残るだけだったのでしょうか。能因はこの歌のために、白河に行ったことにして、半年、ひとに会わずに隠れていたという逸話も知られています。

 関跡に続く道には、すすきが生え、ちょうど彼岸花が盛りでした。帰りの列車からみると、那須野から関東平野にかけて、茫漠たる平野がひろがっていました。


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お燈まつり [徘徊/旅行]


 明日、二月六日は新宮市神倉神社のお燈まつりです。十年前に初めて、その日に新宮を訪れ、異様な装束をつけた男たちが、明るいうちから火をつけるまえの松明を持って、三々五々、町中をうろついている光景に出会って驚きました。 

神倉神社・お燈まつり

 男たちは小集団で何処からともなく現れ、夕暮れとともに神倉神社の石段を登ってゆきます。その数、二千人ともいわれます。山頂にはご神体の巨石があり、新宮の町と熊野灘を見下ろしています。
 暗闇のなか、松明に火が移され、先をあらそう男たちは松明の火の粉をまき散らしながら、一斉に階段を飛ぶように駆け下りてきます。山肌を松明の長い列が延々と続きます。

 立春は過ぎたとはいえ、雪かみぞれが降ってもおかしくない季節です。夜は更け、かけおりて来た男たちは消えた松明を持ってまた、何処へともなく散ってゆきます。地の果ての町が神々しく思える時です。明日もまた、そんなひとときが訪れることでしょう。


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岬めぐり [徘徊/旅行]

 関西に住んでいると、房総半島とくに外房を訪れる機会は少ないですが、2年ほど前、犬吠埼へ行ってきました。さすがに太平洋へ突き出ているだけに、風の強い岬でした。

犬吠埼灯台

 星野博美のご先祖のように、海に生きるひとたちにとって、紀伊半島と房総半島は近しい関係にあったようで、勝浦とか白浜とか同じ地名があったり、醤油が紀州湯浅から銚子の方へ伝わったり、クジラ捕りが行き来したりと庭続きのような感覚だったのかもしれません。

 むかし、学生のころ奄美大島へ行ったとき、泊めてもらった家のひとが、船に乗っていると内陸のことは知らないが、全国の港のことは大抵知っていると言っていたのが記憶に残っています。

 椰子の実だけではなく、ひともあちこち流れ着いていたのですね。

 

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日本海の魚 [徘徊/旅行]

 先週は連休だったので、旅行に行ってきました。どこでもよかったのですが、とりあえずホテルのとれた金沢にでかけました。あいにく朝から大雨でした。

 翌朝、九谷陶芸村へ行くつもりが、なにを間違えたのかJR大聖寺駅で降りてしまい、そういえば百名山の深田久弥の出身地だと思い「深田久弥 山の文化館」へ行ってみました。

深田久弥 山の文化館

百名山原稿

 百名山にはほとんど登ったことはありません。二十年ほど前に子供たちを連れて伯耆大山に登頂したことがあるくらいです。ただ山のふもとを巡ることはときにあります。以前、霧ヶ峰を歩いていて、右に槍ケ岳、左に富士山が見えたのには感激しました。

 『言葉の海へ』とか『木に会う』の著者の高田宏がここの館長をしていたはずと思って、事務所のひとに聞いてみると病気をされて療養中とのことでした。そういえば最近は本屋さんでも著作をみかけることもあまりないようです。わたしが島崎藤村『夜明け前』を買ったのは彼の影響だったと思い出します。

 ホテルの夜はひまなので、金沢駅の隣の本屋さんで渡辺京二『無名の人生』(文春新書)を買ってきて読みました。『逝きし世の面影』の誕生譚など、おもしろく読めました。ただ「私の理想は、無名のうちに慎ましく生きて、何も声を上げずに死んでしまうことです。」といわれても、もう十分に有名ですよと突っ込みたくなります。

 カニの解禁はまだだし、貧弱な食生活を反省しつつ、日本海のさかなを食べました。

 #「『夜明け前』の坂」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2019-03-12

 

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