濃厚な生活 [徘徊/旅行]
ここ数日、各地で雪が降っているようです。南国の当地でもみぞれがふっていました。静けさのなかに雪降り積む・・・。
いくたびも雪の深さを尋ねけり (子規)
仰臥の生活をおくる正岡子規の視線が感じられます。
三年ほどまえ、根岸の子規庵へ行ったことがあります。JR 山手線鴬谷駅の近くです。子規はここに明治27年から没するまでの八年間を暮らしています。
建物は再建したものですが、子規の生活空間の雰囲気が感じられます。たしかに鶏頭も植わっていそうです。
関川夏央『子規、最後の八年』(講談社)という本があります。子規と、またその周囲での確執のもようなど読みごたえがあります。それにしても、三十五年の濃厚な人生に圧倒されます。
樋口一葉、石川啄木は別格としても、夏目漱石が亡くなったのが何と49歳、森鴎外ですら60歳です。写真を見ればちゃんと文豪という顔つきですね。我が身を振り返るとああ何ということだ・・・としみじみ思います。
by ちょんき (2016-01-28 21:23)
だれだったか七がけ説というのがありましたね。漱石なら現在になおすと70歳、我々は昔の47歳というところうですか。子規も50歳と思えば納得できます。我が身を振り返ると、なんとなく味の薄まった人生を送っている気もします。
by 爛漫亭 (2016-01-29 21:48)
七掛け説というの、感覚としてかなりぴったりきますね。我々は苦労が足りないということだろうか。一昨日、義父が98歳で亡くなりました。絵にかいたような老衰でしたが、むかしの70歳というくらいの感じだったなぁ。
by ちょんき (2016-01-30 09:20)