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高低差で見る [雑感]

 京都市は琵琶湖疏水で琵琶湖から水をもらっていますが、山を越え、なぜそんなことが出来るのか不思議でした。ふと思いついて調べてみると、琵琶湖面の標高が 84mなのに対し、京都市(府庁)は 47.6mでした。


 これだけ高低差があれば、トンネルを掘れば、水は流れて来るのでした。水力発電もできるし、船を通すには上げ下げする装置(インクライン)も必要になります。納得しました。普通に地図を見ていても分かりませんが、案外と滋賀県は標高が高いのです。明治の人もよく気づいたものです。



 琵琶湖には約450本の川が流れ込んでいるそうですが、出てゆくのは瀬田川だけです。京都府南部で宇治川と名を変え、また淀川となり大阪湾に注ぎます。水の都・大阪(府庁)は標高 15.5mと低くなります。


 ちなみに京都府南部は「やましろ・山背」と称ばれます。平城宮から見て奈良山の後ろになるからだそうです。平安京への遷都により「山城」と表記が変わりました。その時代の中心がどこかによって変化します。これも高低差の一種でしょう。


 奈良県庁は標高 93.1mです。京都が周囲と比べて比較的低地なのが分かります。いろんな高低差を意識して周囲を眺めると、また違ったものが見えてくるかも知れません。




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柔道観戦の楽しみ [雑感]

 柔道は一度もやったことが有りませんが、ここのところ毎日、夕方のテレビで、オリンピックの柔道観戦を楽しんでいます。敗者復活戦、準決勝、3位決定戦、決勝と熱戦が続きます。相撲は1日1番、水泳も予選、準決勝、決勝と日が別れていますが、柔道は1日に何回も試合があるのには驚きます。延長戦で疲れ果てても数時間後には次の試合があります。選手たちの闘争心の旺盛さに感服します。


 大学生のころ、わたしは剣道部に属していたことがありますが、入部して半年ほど経ったころ、先輩から昇段試験を受けてくるよう言われ、試験場に出かけました。対戦相手は警察関係の人でした。どうも相手を叩く気持ちが湧いてこず、自分には闘争本能に欠けるところがあると分かりました。結果は勿論、不合格でした。


 柔道といえば、「姿三四郎」という言葉がすぐ思い浮かびます。小説の主人公ですが、黒澤明の映画やテレビドラマでおなじみです。柔道を通じての心の成長の物語です。柔道にはいつも精神性ということがまとわり付いています。1964年の東京オリンピックの後には、オランダのヘーシンクに負けた日本国民の心の傷を癒すように、美空ひばりが唄った『柔』という歌が流行りました。


   勝つと思うな 思えば負けよ

   負けてもともと この胸の・・・


 テレビを見ていると、フランス、イタリア、ロシア、コソボ、モンゴル、ジョージアなどいろいろの国の選手が登場します。それだけ柔道が普及している証拠なのでしょう。そういえばロシアのプーチン大統領も柔道をやっていたと聞いた覚えがあります。闘争心は旺盛に見えます。


 柔道のように直に他人に触れ、相手の息づかいを感じながら、力を込め、技を競うというのは人間として、最も原初的な行いと思われます。選手たちの相手および自分との戦いの様子が画面を通して伝わってきます。戦いが全人的であるという意味で、精神的でもあります。あと何日かテレビの前で楽しめます。



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東京オリンピックの記憶 [雑感]

 オリンピックが始まりました。今回は最初から種々の不手際が多く、コロナ禍もあり盛り上がりに欠けるようです。前回の東京オリンピックは 1964年で、わたしは高校1年生でした。51歳だった母親は東京にいた長男に呼ばれて、チケットの取れた、何だったか名前の知れない競技の観戦に出かけていました。多分、出来たばかりの新幹線にも乗ったのでしょう。


 10月10日の開会式では延々と続く各国の選手団の入場の様子を珍しげに観ていた記憶があります。田舎の高校生ですから、こんなに多種類の外国人など見たことも無かったことでしょう。テレビは白黒だったはずですが、後から見た画像の影響かトラックの煉瓦色が目に浮かびます。


 三宅義信選手の活躍で重量挙げという競技を知りました。何か白い粉を手につけてバーベルを挙上するだけの運動ですが、なぜか引き込まれて見続けてしまいました。まるで一人芝居の演者のようでした。オリンピックで初めて知ったというスポーツは、その後もいくつかあったと思います。


 体操では遠藤幸雄選手のつり輪が思い出されます。つま先までピンと伸びた十字懸垂の姿です。それにしても現在の選手は、なぜあんなにも捻ったり、手を離したり出来るのか不思議です。女子ではチャスラフスカというチェコスロバキアの選手の気品のある演技は東京五輪の華でした。




 ヘーシンクに勝てなかった日本柔道、サロメチールをこめかみに塗って走るハードルの依田郁子、マラソンのアベベ、競技場内で抜かれて3位になった円谷幸吉、女子バレーボールのニチボー貝塚、谷田のアタックや回転レシーブなど、断片的な映像が 57年経っても蘇ります。それだけ印象が強かったのでしょう。


 オリンピックがすんで1年半後、わたしの通っていた高校に体育館ができ、杮落としにバレーボールのニチボー貝塚 対 鐘紡四日市の試合が行われました。びっくりしたのは、何よりも選手たちの肌の白さでした。それまで運動部の選手といえば色の黒い人しか知らなかったのでしょう。


 ここに出てきた選手たちは、わたしより十歳前後年上ですが、調べてみると三宅義信以外、遠藤幸雄もチャスラフスカも、ヘーシンクも依田郁子も谷田も、皆んないつの間にか、他界されていたのは意外で、残念な気持ちがします。


 今度のオリンピックでも、何十年経っても記憶に残る選手がたくさん現れるといいですね。



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プロ野球の楽しみ [雑感]

 プロ野球もセ・パ交流戦となり、普段観られない顔合わせが楽しめます。昨日の甲子園でのタイガース・バファローズ戦もタイガースの話題の新人、佐藤輝明のホームランが見られました。力強いスイングで迫力がありますが、まだ少し荒削りな感じを受けました。


 試合は3ー2とタイガース1点リードの5回表、バファローズは2死、走者なしで、9番の投手・山崎福也の打席。普段、パ・リーグの投手は打席に立たないのですが、山崎は見事に2塁打を打ち同点に繋がりました。


 山崎福也は日大三高時代、第82回選抜大会(2010年)の準優勝投手でしたが、大会中13安打を打ち、選抜で1大会の最多安打記録なんだそうです。打たれたタイガースの投手はこんなこと知ってたでしょうかね。


 因みに第82回選抜大会の準々決勝で山崎の日大三高は敦賀気比高校に勝っていますが、敦賀気比には、いまバファローズでチームメイトの首位打者・吉田正尚がいました。吉田は山崎に無安打に抑えられたそうです。


 また、バファローズの同僚といえば日大三高の準決勝の相手の広陵高校には福田周平がいて、決勝戦の相手の興南高校には大城滉二がいました。昨夜は2010年の甲子園組が久しぶりに思い出の甲子園に集ったことになります。


 いまや吉田正尚は日本を代表する打者です。飛び抜けた高打率と三振の少なさが際だっています。昨日のタイガース戦でも5打数3安打2打点です。


 吉田正尚は青山学院でいま同僚の杉本裕太郎の2年後輩で、今と同じく3番4番を打っていたそうです。こうしてみるとプロ野球の世界は天才たちの集まりなんだと再認識させられます。


 パ・リーグ打撃十傑表を眺めながら、各人の球歴を調べてみるのも楽しい発見があるかも知れません。野球を観戦する興味が増えます。


2宗佑磨成績.png


 6月2日の時点で9位に宗佑磨君が入っています。わたしは彼が小学生の頃に会ったことがあります。おとなしそうなようすで少年野球をしていると言っていました。十年程して彼がバファローズからドラフト2位指名を受けたと連絡があり、驚きました。順調に成長し、こうして打撃十傑表に名前が出ているのを見ると感慨無量です。元気で活躍を続けられるのを願うばかりです。




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開き直って [雑感]

  5月13日夜、布団の中で左耳が痛くなり、中耳炎になったのかと思い、耳に触れてみると、どうも外耳道に湿疹ができており、暗い中、たどってみると、湿疹は下顎まで続いているようです。「アッ、これは帯状疱疹だ」と気づいたので、翌朝、クリニックを受診し、抗ウイルス薬と鎮痛剤を処方してもらいました。


 服薬すると翌日には痛みは改善した気がし、1週間ほどすると発疹はカサブタになりました。ただ、左耳から頬、下顎にかけて、シビレがきれた時のようなジンジンする痛みと、時にチクッとする痛みが続いています。昨日からカサブタが取れ始め、シビレの範囲も縮小しつつあるようです。今日で発症から 17日目です。1日1回、鎮痛剤を飲んでいます。


 いつかはなるだろうと思ってはいましたが、ヤレヤレです。罹ってみて分かったのは、帯状疱疹は発疹が目立ちますが、患者にとっては皮膚の病気というよりは神経の病気です。舌も左半分が痛みます。


 むかし母親が「あんたは、はしかも、おたふく風邪も、水疱瘡もしてない」と言っていましたが、帯状疱疹になったからには水疱瘡には罹っていたのでしょう。団塊の世代で子供の多い中で暮らしていましたので、一通りの流行病には遭遇していたはずです。水痘にいつ罹っていたのかは不明ですが、約 70年、ウイルスもよく神経節に潜伏していたものです。


 70年体内に居たウイルス遺伝子といえば、もう親から引き継いだ遺伝子と大差なく、身内みたいなものです。そう思って不快感を飼いならしながら、しばらくは帯状疱疹と付き合っていく他ありません。



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所により時により [雑感]

   千葉に住んでいる孫と話していると、ときおり怪訝な顔をされることがあります。「橋」、「箸」、「端」といった言葉のアクセントが気になるようです。


 わたしは関西人なので「川」と「皮」はきっちりと区別しますが、東京の人は同じ発音なのだそうです。


 金田一春彦『ことばの歳時記』(新潮文庫)を眺めているとこんな笑い話が載っていました。 <向島といえば、戦前までは東京で指折りの桜の名所であったが、ひとりの地方出身の客が、土手の茶店に腰をかけて名物の桜もちを食べていた。この客、桜もちの食べ方を知らぬとみえて、包んだ葉ごとムシャムシャほおばっている。茶店のおかみが見かねて「それは皮をむいて召し上がるものですが・・・」というと、客は「そうけえ」と言って、隅田川の方へ向きなおって食べはじめたという。> 関西では成り立たない笑い話です。


 むかし東京の姪が遊びに来たとき、「大阪の電車には『指をつめないで』と書いてある、指をつめるのはヤクザのすることで、『指をはさまないで』でしょう」と言います。そうとも言えるなと笑った記憶があります。


 先日、台湾で大きな列車事故がありました。清明節(4月5日ころ)で墓参に行く客が多かったそうです。日本では墓参りといえば、お彼岸で春分前後の数日ですが、中国やインドには春分にそんな風習はなく、中国では清明に野へ出て青草を踏み(踏青)、先祖の墓参りをすることになっているそうです(陳舜臣『唐詩新選』新潮社)。


 また、明治時代に仏教の原典を求めて鎖国中のチベットに潜入した河口慧海によれば、ネパールは一夫多妻であり、チベットは多夫一妻なんだそうです。兄弟や数人で嫁さんを共有し、主導権は嫁さんにあるそうです(河口慧海『チベット旅行記』講談社学術文庫)。


 所が違えばアクセント程度の違いから、風習や制度まで思わぬ違いに出会うようです。自分が当たり前と思い込んでいる事も通用するのは、場所も時代も限定的なのかも知れません。




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明け方の夢 [雑感]

  仕事をしなくなってから、明け方に再々、仕事をしている夢を見ます。いくらやっても上手くいかない。アァ困ったという状況になって目が覚めます。「・・夢でよかった・・・」と安心します。こんなことは仕事をしていた頃には再々は無かったように思います。


 仕事をやり残したという気持ちはありません。もう仕事は若い人に任せた方が良いと納得しています。おかげで勤務中に比べると1〜2時間、睡眠が長くなり、寝つきもよくなりました。平穏な暮らしです。


 困った夢は必ず明け方に訪れます。なんとなく覚醒しているような、眠っているような半眠半醒とでもいうような状態の時です。起きるには少し早いかと思いながら、目をつむっていているうち、困っている夢に起こされ、眠っていたと気づきます。


 良い方に考えれば、そんな夢を見ることで、体に染み付いた仕事人間の垢が一枚、一枚剥がれているのかもしれません。


 夏目漱石には『夢十夜』という作品があります。「こんな夢を見た。」と奇妙な夢物語を語り出します。十夜それぞれにバラエティにとんでいます。こんなに物語性の豊かな夢は見ないなと自分を振り返ります。漱石はそんな夢物語を記述することで心の何かが変化したのでしょうか。


 それにしても、いつまで仕事の夢を見続けるのでしょう。そしてこんな夢を見なくなった時、わたしはどんな風に変化しているのでしょう?



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健康の近未来 [雑感]

 子供の頃、父親からいろいろな格言やことわざを教えられました。「人間万事塞翁が馬」とか「商人と屏風は曲らねば立たぬ」とか、風呂上がりに縁側に寝そべって、団扇を使いながら面白おかしく意味を説いてくれました。


 そんな中に「薬九層倍」というのがありました。「目薬というのはな、いくら高い薬でもほんのちょっとしか入れられへん、ほとんど水や」と笑います。


 そんなことを思い出したのは、確定申告の時節となって医療費控除を受けるのに、改めていま飲んでいる薬の値段を調べてみると、1カプセル1万円以上というのがあったからです。やっぱり「薬九層倍」かと驚きました。日本の医療保険制度がなければ、とても長くは治療は続けられません。


 格言で言えばこの場合、その薬で病気が治っていれば「地獄で仏」ということになり、また保険制度が不備であれば「地獄の沙汰も金次第」ということになります。


 最近の良く効く薬は高価なものが多いようです。薬屋さんの言うには、特許期間が過ぎればすぐにジェネリックが出るので、それまでに開発費を回収する必要があるとのことです。


 それにしても通院の場合、病院への支払いより薬局への支払いが多額なのには不思議な気がします。医者と製薬会社への配分が、製薬会社に傾いている感じです。


 今回のコロナワクチンでも何億人分という量が一部の製薬会社に依存しています。一本いくらするのでしょう。今年は国が負担してくれますが、自費なら、いつものインフルエンザワクチンで三千円ほど、肺炎球菌ワクチンで七千円ほど支払っているのから考えても、それ以下では有り得ないでしょう。膨大な金額が薬屋さんに流入します。


 知らない間に、いろんな面で人類の健康は巨大製薬会社の手に委ねられているようです。



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森さんの場合 [雑感]

 森さんは事態の成り行きに唖然としていることでしょう。オリンピック憲章に反すると言われ、各方面から不適切というコメントが次々に出され、上部組織にソッポを向かれてしまえば、外堀も内堀も埋まってしまい進退は極まります。


 なんとなく聞き過ごせば、愚痴かボヤキとも取れ、言葉狩りの様相も感じられなくもないですが、はからずも森さんの女性に対する思いが露呈してしまったということなのでしょう。お年寄りだからなと思っても「どう感じますか」と尋ねられれば、公式には「不適切な発言」と応えざるを得ないでしょう。


 20年程まえ、職場でハラスメントの講習がよくありました。こちらがジョークか関西風突っ込みと思って言っているような言葉がハラスメントに当たると知らされ、考え込んだ記憶があります。森さんなんかもそんな講習を受けたのでしょうか。


 それにしても今度のオリンピックはロゴマークのやり直し、誘致疑惑での竹田さんの辞職、競技場の設計変更、日程の延期など次々と問題が発生しています。実務をされている方々のご苦労は大変なことでしょう。オリンピックは出来るのか、無理でもやってしまうのか? 無理をせずに安全・安心を第一に判断してもらいたいものです。



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雪が降る 言葉が積もる [雑感]

 今年は雪が多いようです。南国の当地でも先日は薄っすらと雪化粧でした。豪雪地帯の雪おろしなど、想像もできませんが、紙の上で雪国を体験します。言葉は新しい視野を開いてくれます。


   「 雪 」  三好達治


 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。


 10年程まえ何処だったか、蓼科のあたりの山の上で、この詩を書いた詩碑を見たように思うのですが記憶が曖昧です。ただ、こんな場所より野尻湖のあたりのほうがこの詩に合っていると思ったのを憶えています。




  さいはての駅に下り立ち

  雪あかり

  さびしき町にあゆみ入りにき    (石川啄木)


 明治41年1月、漂泊のはてに釧路駅に着いたときの回想。当時、釧路が終着駅だったそうです。




  まぼろしの白き船ゆく牡丹雪  (山川蟬夫)


 幻想的な言葉遊びで、雪の雰囲気が上手く表現されています。



 

   「 見えない木 」  田村隆一


 雪のうえに足跡があった

 足跡を見て はじめてぼくは

 小動物の 小鳥の 森のけものたちの

 支配する世界を見た

 たとえば一匹のりすである

 その足跡は老いたにれの木からおりて

 小径を横断し

 もみの林のなかに消えている

 瞬時のためらいも 不安も 気のきいた疑問符も そこにはなかった

   (後略)


 一瞬にして新しい世界が展けます。言葉は別世界への通路です。小説にしろ、評論にしろ、詩歌にしろ、それによって見たことのない視界が現れなければ楽しみがありません。


 雪が降れば、言葉が積もる。



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