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古い本ばかり [読書]

 昨日も今日も温かい雨です。インフルエンザが流行っていますが、終わりかけの三月の雨のようです。正月のころには寒くなるのでしょうか。家内は風邪のようで、ここ数日、微熱があるようです。医者が遠いので自然にまかせているようです。

 わたしは年賀状の準備でもしようかと PC を立ち上げましたが、今年一年を振り返ったりしていると時間が経ってしまいます。それにしても、だんだん読書スピードがおちて、しかも手に取るのは古い本が多くなって、新刊本や旬の著者のものはわずかです。今年はひとさまにお勧めできるものはないと嘆息します。

 いま読んでいるのも、ある記載で興味をひかれたもので、25年前に刊行された小島剛一『トルコのもう一つの顔』という中公新書です。わたしが知らなかっただけで、有名な本なのかもしれません。2016年2月で 13 版になっています。フランスで自由業、専攻は言語学と民族学という著者の 1970年からの十数年にわたる野外調査の真摯で愉快で冒険にみちた記録です。本を読む楽しみを満喫させてくれます。今年は続編もでたようで楽しみです。

#「わが名はアラム」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2017-02-21


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柚子湯で復活 [雑感]

 明日は冬至です。夏至にくらべると4時間以上も日が短いそうです。別名、一陽来復ともいいます。その日から太陽が復活し始めるからです。

 作曲家の G. マーラーは 1860年生まれでチェーホフとおない年です。彼の交響曲第2番は「復活」と呼ばれています。ときに聴くことがありますが、長大なので興味を持続させる工夫が必要です。さまざまな楽器の音色をたどっていく感じです。管楽器も活躍するので、ジャズ風に思えるところうもあります。

 チェーホフはドイツで他界するのですが、マーラーやその音楽と出会うことはなかったでしょう。チェーホフがマーラーを聴いていたらどんな感想をもっただろう・・・長すぎる? 劇的すぎる? 退屈すぎる? あした柚子湯にでも入って考えてみよう。



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ロシアとの関わり [雑感]

 あしたロシアのプーチン大統領が来日するそうです。北方領土問題に何か方向性が見えるのでしょうか。ウクライナ独立に際しての、ロシアのクリミア併合をみると、ロシアが領土で譲歩するとは考えにくいですが・・・。

 この間から読んでいるチェーホフの晩年の小説は、みんなクリミア半島のヤルタで書かれています。1899-1904年のことです。

 チェーホフの20歳年上のチャイコフスキーの交響曲第2番は「小ロシア」という題がついています。ウクライナのことだそうです。

 明治以来、日本では四書五経や漢詩の中国に変わって、小説や音楽、政治などロシアの影響を多大に受けました。日露戦争はちょうどチェーホフが他界した年に始まっています。日本では夏目漱石が『吾輩は猫である』を書いている頃です。

 そういえば家内の実家の近く、淡路島で生まれた高田屋嘉兵衛*は1812年、国後島の沖でロシア船に拿捕され、カムチャッカに連行されています。その頃から、あのあたりは両国のしのぎ合う場所だったようです。

  *司馬遼太郎『菜の花の沖』の主人公

  #「柚子湯で復活」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2016-12-20

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生きる手触り [雑感]

 十二月になると西風が吹き荒れて、砂浜にナマコがうち上がることがあります。薄くスライスして酢のものにして食べます。コリッとした食感が楽しめます。腸の塩辛は「コのワタ」です。

 久しぶりに CD屋さんに出かけてみると、先月に閉店していました。二十年ほどまえに町のレコード店がなくなり、今は CDショップが消滅しつつあるようです。ダウンロードとかストリーミングは何か心もとなくて、手触りが楽しめません。 街の本屋さんも激減しています。

 いつか読むだろうと三十年前に買っておいた「チェーホフ全集」を取り出してきて読んでいます。いつの間にかチェーホフも年下の男になっています。若いころから何回か読んだ話しもあるし、いつ読んでも、どこがおもしろいのか分からないのもありますが、話しを読む楽しみに満ちています。

 楽しみといえば、高校時代に英語の副読本で J.B. プリーストリーの『Delight』(生きる喜び)という本を読みましたが、大学に入って、英語の授業が同じ本だったのには、げんなりしました。二回も読んだので、ところどころは憶えているつもりでした。本はどこかへいってしまったので、以前、アマゾンで取り寄せました。ぺらぺら繰ってみましたが、あれっ、違う本だったかなと思うほど、憶えていませんでした。

 いずれにしろ、歯触りとか手触りとかがあって、delight に実感が湧くんだと思うのですが・・・。

 #「短篇小説のための手引書」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2020-07-21
 

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