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アンパンとサイダー [食物]

 猛暑のなか台風が日本列島に向かっています。大雨、日照り、台風と自然の猛威が続いています。このまま環境が激変すれば、将来的には住む場所を求めて、人々が流動しだすかもしれません。


 昨日は手術の説明があり、こんなことがあるかもしれない、あんなこともあるかもしれないと、坦々とお決まりの話があり、同意書に署名しました。


 先日の入院案内の時には、突然「今日は何日ですか?」、「ここはどこですか?」、「100ー7を順番に言ってください」などと認知機能テストをしてくれました。そばにいた家内は「これは練習しておこう」と半ば真剣につぶやいていました。


 夜になって、家内が樋口一葉『たけくらべ』を読んでいるのを聞いていると、文章の中に「餡ぱん」が出てきて、驚きました。明治28年の作なので、その頃の子供はもうアンパンを食べていたらしい。


 わたしの母方の祖母は明治24年生まれですが、神戸、大阪などに出かけたおりには、孫たちへのみやげに、菓子パンをたくさん買ってきてくれました。もしかしたら祖母も子供の頃の「餡ぱん」が忘れられなかったのかもしれません。


 父は明治43年生まれですが、子供のころ「サイダー」が飲みたかったからと、いつの頃からか夏になると冷蔵庫にサイダーをきらしませんでした。


 知らないあいだに、ひとは何かにとらわれて生きているのでしょう。


 #「祖母のはなし」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2017-03-21


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モバイル・ハウス・ダイアリーズ [読書]

 猛暑が続いています。38度といった言葉を聞くと、何か未体験の領域に入っていく感じがします。四季のある国といいならわしてきましたが、季節の巡りは、経験済みの出来事のなかで推移していくものだったはずです。想定外が多すぎます。


 「ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず」と『方丈記』は書いていますが、川の水が氾濫するとは言ってません。


 河出書房新社『日本文学全集07』の高橋源一郎訳「方丈記」は奇を衒ったものです。方丈記という言葉の横には「モバイル・ハウス・ダイアリーズ」とルビがふってあります。言葉遊びとして「現代語訳」したという感じです。 原文もそんなに読みにくいものではないので、こんなのもありかとは思いますが・・・。


 最近、文字が読みにくくなってきたので、近々、目の手術をする予定です。未体験のことは少し不安ですが、これも今年の夏の経験として、やり過ごすことにします。


#「流れは絶えずして」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2018-06-26

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豪雨の後で [雑感]

 今朝はセミが鳴き始めました。各地に大きな災害をもたらした梅雨前線は北上し、近畿地方はつゆがあけたようです。それにしても、いっときに、北九州から飛騨まで次々と豪雨が襲うなど、記憶にありません。しかも毎年のように、50年に一度の災害が起こるのは不思議です。


  蝉生る夢の色して幹のぼる (山口青邨)


 ここ数年、当地では推し量ったように 7月10日前後にセミの声が聞かれはじめるようです。「セミの分布を左右するのは気温ではなくて地温だとされている。」(日高敏隆)そうですが、鳴きだすのも地温が関係しているのでしょうか。


 今晩は小麦が体質的に食べられないので、米粉の素麺もどきを食べました。それなりに夏の食感を楽しみました。喉ごしがすこしモソッとしているのは、いたしかたのないことです。関西人としては粉モンが外食できないのが残念です。


 そういえば災害時の非常食も小麦製品が多そうです。米粉加工品の備蓄も考慮せねばと思います。



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千年まえのコラムニスト [読書]

 文庫本は字が小さいので、とても読めません。岩波文庫にワイド版というのがあるので、ときどき出かけた折に、書店の棚を探してみます。それで『枕草子』でも読んでみようかと、池田亀鑑校訂というのを買ってみたのですが、なかなか読み進めません。いちいち古語辞典を引くのは視力的にも無理です。


 なにか適当な訳本はないかと思っていたのですが、以前、橋本治訳が話題になったのを思い出したり、岩波現代文庫に大庭みな子訳があることも知っていたのですが、そのままになっていました。


 そんな時、酒井順子訳というのを見つけて、手に取るはめになりました。ときどき岩波文庫ワイド版と見比べながら、読んでいますが、スイスイとページがすすみます。現代でいえば、雑誌のコラム集のようなもので、辛辣な感想があったり、帝や中宮の日常生活の描写があったり、元夫が出てきたり、清少納言という女性の生き生きとした感情が横溢しています。「好き」と「嫌い」で世界を二分してしまうのは、痛快です。


 まだ半分残っていますが、読むのが楽しみになります。本当にこんなことを書いているのかと、原文をみると、ほぼ逐語訳に近いもののようです。帝がネコをふところに入れていたり、物乞いのおどけたようすなど、千年まえの日常が生々しく語られています。


 女性はいつの時代も元気なんだなぁと、微笑ましくも愉快になります。



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