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寝る前の本 [読書]

 寝るまえにちょっと読む本には、雑誌や週刊誌に連載した文章をまとめたような本がふさわしい。一回分の分量が適当で、眼がさめるほどむつかしくなく、少し知識が増えて得した気分になって眠りにつける。

 「オール讀物」に長年連載した、丸谷才一のエッセイ集とか、川本三郎が「キネマ旬報」に書いている『映画を見ればわかること』のシリーズとか、以前は「週刊文春」にあった高島俊男の『お言葉ですが・・・』など、たいていは読んでも内容は忘れるので、何年かまえの本でも再読して楽しめます。

 雑誌に何年にもわたる連載をもっているひとは、そんなに多くなく、特異な才能を持った数限られたひとたちです。文章の達人といえる技が披露されているので、手に取れば安眠が約束されます。

 いまは丸谷才一『双六で東海道』(文藝春秋)を読んでいます。出だしは「遅刻論」というもので「小学生のころ、毎朝、遅刻してゐた。」と始まります。そういえば、わたしもずっと一貫して遅刻していたと憶い出します。いまだに遅刻の常習者です。遅刻という言葉は比較的新しいもので、十九世紀後半にできたそうです。それまでは勿論、遅参です。寝る前に本を読むから、つい遅くなって、翌朝、遅参することになるのかも知れません。

#「新書でも買って」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2017-03-30


 

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