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出雲のはなし [読書]

 今朝は、いつのまにか雪が積もっていました。五年に一度位と思っていましたが、ほぼ一年ぶりです。出勤にタクシーを聞いてみましたが、行けるかどうか分からないという返事でした。南国では運転手も雪道の経験がないのでしょう。

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 19歳の冬休みに諏訪から霧ヶ峰に行ったことがあります。一面の雪でしたが、スキーをするでもなく、雪を眺めて帰りました。バスで一緒になった慶応の医学生は一人でスケートをしに来たといっていました。都会の学生は粋なことをするもんだと思った記憶があります。

 きょうは米子道が大雪で混乱しているようですが、昨秋、『古代出雲を歩く』(岩波新書)を読んだついでに、岡谷公二『伊勢と出雲』(平凡社新書)を買ってみました。

 「伊勢は皇大神宮のお膝下であるにもかかわらず、思いのほかに出雲系の神社の多いところで、・・・大和、とりわけ飛鳥地方は、大己貴を祀る三輪神社をはじめ、出雲系の神社がきわめて多く、古代史上の大きな問題となっているが、これは、出雲族の東漸を措いては解決がつかない。・・・それぞれの神ー伊勢津彦も猿田彦も含めーを奉じ、出雲から鉄を求めて東漸していった人たちの痕跡が、たしかに残っているように私には思われる。」という紀行の書でした。大己貴命(オオナムチノミコト)は因幡の白ウサギの大国主神のことです。

 「出雲地方では弥生時代後期から原始的な製鉄がはじまった・・・、炉、即ちたたらは、明らかに渡来人が製鉄の先進地域であった朝鮮半島からもたらしたものである。」
 新羅・伽耶から渡来した人たちの鉄原料を求めての移動と信仰のあとが浮かび上がってきます。

 雪は止んだようですが、明日朝の路面凍結が心配です。ことしは暖冬だと聞いていたのですが、自然にはさからえません。

 #「わが身ひとつ」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2016-11-15
 #「大国主神の国譲り」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2017-05-13


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雪の世界 [雑感]

 ここ数日、各地で大雪が降ったようです。当地は南国で雪はありません。昨年は1月25日に一回だけ積もりました。その前は2011年1月31日に銀世界になりました。雪景色はめずらしいので写真に撮ったので日付が分かります。

 あまり雪国へは行ったことがないので、鈴木牧之の『北越雪譜』とか『秋山記行』で想像するだけです。十五年ほど前に金沢から北越急行で湯沢まででかけましたが、真夏でした。

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」は小説の書き出しとしては「吾輩は猫である。名前はまだ無い」や「いづれの御時にか女御更衣あまた・・・」に匹敵するほど口の端にのぼります。近現代小説としては驚異的です。国境は「こっきょう」と読むのか「くにざかい」なのか、意見がいろいろあるようです。トンネルの向こうは異境であった。池部良、岸恵子、八千草薫の映画も記憶に残っています。

#「ひとりし思へば」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2018-02-07

 

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それなりに新年 [読書]

 年がかわって十日が経ちました。去年はいろいろあったな・・と感慨に耽り、ことしはどんな一年になるのかと思いをめぐらせます。正月には孫たちがやってきて、小学三年生が将棋を指そうというので、思い出しながら始めましたが、飛車を取られ、劣勢となり、真剣に考えてやっと勝ちました。そういえば百戦錬磨の加藤一二三九段が14歳に負けたのは、なんとも脳の不思議です。

 囲碁ソフトには人間はもう誰も勝てないのがあるそうです。人工知能が進化し、自動車の自動運転が一般化すれば、車は運転を間違わないので、対人事故では、はねられた人が事故の原因として訴えられる可能性もあるようです。

 正月休みのあいだ、講談社文芸文庫ワイドというのが最近できて、数冊出版されていますが、野呂邦暢『草のつるぎ』を読んでいました。昭和48年に発表された小説で、著者の自衛隊体験を核にした話しです。そのころわたしは最終学年で終日、本を読む生活でした。

 「いつのまにかぼくは最前列になっていた。前の連中は号笛に促され小銃を手に次々と草にのみこまれて行く。しばらくは上半身が草をかきわけるのが見えている。」

 触感や臭いや光や風や、身体的な表現に満ちています。ひとはからだで生きているとでも言えばよいか、匍匐訓練は人工知能とは別世界です。勿論、現在では人工知能を最も進めているのが軍事関連なんでしょうが・・・。 AI と戦う人間に勝ち目はあるのか? など愚問でしょう。

 今年もやっぱりいろんなことがあるのでしょうが、それなりに生きてゆくしかないでしょう。



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