タンポポの話 [雑感]
<長崎のタンポポは白っぽい>と長崎生まれの評論家・山本健吉が書いています。四国九州地方にてはシロバナタンポポのみを見る処あり、とのことです。いまはどうかわかりませんが・・・。
上方落語に「西行鼓ケ滝」というはなしがあり、そこでは西行法師が「伝え聞く鼓の滝を来て見れば岸辺に咲けるたんぽぽの花」と詠んだことになっています。
タンポポはつぼみの形が鼓に似ていることから、つづみ草と言われていたそうですが、こどもたちは、鼓の音からタンポポと呼んだそうです。
西行はその夜、宿をかしてくれたお礼に、山家の住人に、先ほどの歌を披露します。すると爺さんは「初句は鼓だけに、音に聞く、とした方が良い」といい、また婆さんは「第三句は鼓だけに、うち見れば、がいい」などと添削する。 西行は憮然とするが・・・
ふと目が覚め、夢だったと気づく。「歌の上手と思い上がっていた、ばちがあたる」と西行は恐れる・・・「鼓だけにバチはあたりません」というオチがついています。
兵庫県川西市をはしる能勢電鉄に「鼓滝」という駅があるそうです。
落語に詳しくないので、『西行全歌集』岩波文庫を披いてしまいました(^_^;)
by middrinn (2018-04-03 18:47)
落語のもとは能のようで、「拾遺和歌集」に「音にきくつづみが滝・・・」という歌があるそうで、場所も人も伝説が入り混じっているようです。
by 爛漫亭 (2018-04-03 21:40)
御教示ありがとうございますm(__)m
新日本古典文学大系の拾遺集の巻を
披くと、「音に聞くつヾみの滝をうち
見ればたヾ山河のなるにぞ有ける」と
あり、古人はよく考えますね(^_^;)
by middrinn (2018-04-03 22:12)