SSブログ

ピアノの日記 [音楽]


 まだ暑い昼下がり、久しぶりにショパンのマズルカを聴きました。マズルカというのはショパンの故郷・ポーランドの民族舞曲で、4分の3拍子のリズミカルな曲調です。ショパン(1810-49)は青年期から生涯に渡って 60曲近いマズルカを作曲しています。1分たらずのものから長くても6分くらいの短い曲ばかりです。続けて聴いていると、なにか日々の日記を読んでいるような気持ちになり、こころの隙間に入り込んでくる感じがします。



 ショパンのマズルカを初めて聴いたのは 20歳ごろで、アダム・ハラシェヴィチというピアニストのレコードでした。ワルツとかバラード、エチュード、前奏曲などいろいろの曲があるのに、どういう訳か派手さのないマズルカが耳に残りました。ショパンが日々の思いをピアノでつぶやいているような雰囲気があります。



 かといって、マズルカの CDを取り出したのは数年ぶりでした。ショパンのつぶやきをそんなに聞いてみようと思う時がある訳ではありません。音楽を聴くのは、それで気分がよくなるからでしょうが、それは依存とも思われます。その人にとって、こんな時はこの曲が・・・といった選択があるのでしょう。



 ショパンは20歳のとき、ウイーンへ出かけ、その間にポーランドが政治的混乱状態となり、戻れなくなり、パリへ行くことになりました。結局、彼はそのまま二度と故郷には帰りませんでした。ワルツや夜想曲などのサロン的な曲の合間に、日記のようにマズルカを書いていたのでしょう。







nice!(26)  コメント(6) 
共通テーマ:日記・雑感