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ピアノの日記 [音楽]


 まだ暑い昼下がり、久しぶりにショパンのマズルカを聴きました。マズルカというのはショパンの故郷・ポーランドの民族舞曲で、4分の3拍子のリズミカルな曲調です。ショパン(1810-49)は青年期から生涯に渡って 60曲近いマズルカを作曲しています。1分たらずのものから長くても6分くらいの短い曲ばかりです。続けて聴いていると、なにか日々の日記を読んでいるような気持ちになり、こころの隙間に入り込んでくる感じがします。



 ショパンのマズルカを初めて聴いたのは 20歳ごろで、アダム・ハラシェヴィチというピアニストのレコードでした。ワルツとかバラード、エチュード、前奏曲などいろいろの曲があるのに、どういう訳か派手さのないマズルカが耳に残りました。ショパンが日々の思いをピアノでつぶやいているような雰囲気があります。



 かといって、マズルカの CDを取り出したのは数年ぶりでした。ショパンのつぶやきをそんなに聞いてみようと思う時がある訳ではありません。音楽を聴くのは、それで気分がよくなるからでしょうが、それは依存とも思われます。その人にとって、こんな時はこの曲が・・・といった選択があるのでしょう。



 ショパンは20歳のとき、ウイーンへ出かけ、その間にポーランドが政治的混乱状態となり、戻れなくなり、パリへ行くことになりました。結局、彼はそのまま二度と故郷には帰りませんでした。ワルツや夜想曲などのサロン的な曲の合間に、日記のようにマズルカを書いていたのでしょう。







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middrinn

吉田秀和も『私の好きな曲』(新潮文庫,1985)でショパン『マズルカ作品五九』
を挙げ、『LP300選』(新潮文庫,1981)でも「ショパンでは、私は『マズルカ』
『練習曲集』の二巻が、いちばんいいのではないかと思っている。最初の『マズ
ルカ』は、全曲で六〇曲ぐらいだろう。そのどれもが、天才的でないにしても、
まず、大作家の日記をよむのにおとらない楽しみが、その各ページにある。」と
評(^^) 意外な評価でしたけど、玉稿を拝読して、そうでもないのか、と(^_^;)
by middrinn (2023-09-13 18:14) 

爛漫亭

 middrinnさん、わたしも吉田秀和の評論を読んで、自分の
感受性が認められた安心感と、また批評家への信頼が強まり
ました。これはいずれの分野でも、評論を読む楽しみですね。
by 爛漫亭 (2023-09-13 19:31) 

そらへい

そういえば、しばらくショパンを聞いていません。
だいたい聞くのはルービンシュタインの夜想曲
ポリーニの練習曲、あとピリスくらいです。
たまには、クラシックの夜も良いですね。
by そらへい (2023-09-13 19:40) 

爛漫亭

 そらへいさん、ルービンシュタインは繊細なのに安定し
ていて、安心して聴けますね。ピアノ曲はいろんなピアニスト
で楽しめますね。
by 爛漫亭 (2023-09-13 20:17) 

mm

こんばんは^^
音楽は聴き専門。今はフォレスタに嵌っていますが、クラシカルを聞くときはショパンばかり。
マズルカも好きですが、わたくしは葬送行進曲やスケルツォが結構好きです。
by mm (2023-09-16 21:08) 

爛漫亭

 mmさん、コロナや猛暑で外出が鬱陶しいときは、音楽を
聴くか本でも読むしかないですね。好きなものがあるのは
活力になります。スケルツォとは意外ですね。
by 爛漫亭 (2023-09-16 22:13) 

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