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春を待つ熊野 [雑感]


 2月になると節分、立春となり、やっと冬至から春分までの中間点を過ぎたと、何か一山越えた気分になります。紀南では梅林の開花も報じられています。この時節になると、いつも2月6日に行われる新宮市・神倉神社の「お燈まつり 」が気になります。昨夜、4年ぶりに無事、挙行されたようです。



 わたしは行事には参加したことはありませんが、二度見学に行ったことがあります。山の上の巨石のある神倉神社から、夜闇のなかを、松明を掲げた白装束の男たちが二千人も駆け下ってくるのは勇壮かつ異様な光景で圧倒されます。熊野という土地の神話的な姿があらわになる一日です。



 新宮を舞台にした小説はいろいろあるのでしょうが、辻原登『許されざる者』、中上健次『千年の愉楽』、野口富士男『なぎの葉考』などはそれぞれ新宮の一面を捉えた読み応えのあるお話しです。どういうせいか新宮の人は他の和歌山県人とは違い、いわゆる標準語的なアクセントで話す気がします。陸の孤島といわれる僻地ですが、海路で他郷に開けていたのでしょうか?



 以前は、あのあたりへ行くと「鈴焼」という菓子を買って帰るのが常でしたが、最近は小麦粉(グルテン)が食べられなくなって残念です。3月には串本からロケット(人工衛星)が射ち挙げられる予定です。もう少し暖かくなれば久しぶりに熊野へも出かけたいものです。








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