生きる手触り [雑感]
十二月になると西風が吹き荒れて、砂浜にナマコがうち上がることがあります。薄くスライスして酢のものにして食べます。コリッとした食感が楽しめます。腸の塩辛は「コのワタ」です。
久しぶりに CD屋さんに出かけてみると、先月に閉店していました。二十年ほどまえに町のレコード店がなくなり、今は CDショップが消滅しつつあるようです。ダウンロードとかストリーミングは何か心もとなくて、手触りが楽しめません。 街の本屋さんも激減しています。
いつか読むだろうと三十年前に買っておいた「チェーホフ全集」を取り出してきて読んでいます。いつの間にかチェーホフも年下の男になっています。若いころから何回か読んだ話しもあるし、いつ読んでも、どこがおもしろいのか分からないのもありますが、話しを読む楽しみに満ちています。
楽しみといえば、高校時代に英語の副読本で J.B. プリーストリーの『Delight』(生きる喜び)という本を読みましたが、大学に入って、英語の授業が同じ本だったのには、げんなりしました。二回も読んだので、ところどころは憶えているつもりでした。本はどこかへいってしまったので、以前、アマゾンで取り寄せました。ぺらぺら繰ってみましたが、あれっ、違う本だったかなと思うほど、憶えていませんでした。
いずれにしろ、歯触りとか手触りとかがあって、delight に実感が湧くんだと思うのですが・・・。
#「短篇小説のための手引書」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2020-07-21
2016-12-06 20:38
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ロアルド・ダールの[kiss kiss]か[someone like you]とフィッツジェラルドの[rich boy]をやった記憶はあるのですが[delight]なんてまったく覚えていません。同じ場所にいても見ているもの覚えているものは違うということですね。
by chonki (2016-12-12 13:36)
「Delight」はM本先生が英語の授業をしていた時だったと思います。
M崎先生はイキな本を読ませていましたね。十代の読解力では難しかった憶えがありす。「Rich boy」は記憶にありません。オニールの解説をしていた風景が思いうかびます。
お互いの記憶が違っているのは、それぞれにエスケープしていたせいかも知れませんね。
by 爛漫亭 (2016-12-12 21:37)