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歴史から現在を見る [読書]


 今年は選挙の年のようです。それでいつも不思議に思うのは、米国ではなぜ火曜日に選挙をするのか? 共和党の大統領候補がほぼトランプさんに決まったのも先日のスーパー・テューズデイでした。



 netにあった解説では、アメリカは清教徒の国だったので、日曜日は安息日で仕事をしてはいけない日なのだそうです。そして月曜日に馬車で投票にでかけても、国が広いので、間に合わない人がいるので火曜日なのだそうです。大統領選挙は11月の第1月曜日の翌日と法律で決まっているとのことです。



 負けると、選挙に不正があったと騒ぐような人がまた出てくるのも不思議ですし、どちらにしても、後期高齢者に国家を任せようとする国民も不可解です。



 この間から読んでいる片山杜秀『歴史は予言する』(新潮新書)は「週刊新潮」に連載しているコラムをまとめたものですが、時事的な話題を過去とのつながりから考えようという視点で綴られた面白い本です。特に学校で習わなかった近代史にうといわたしには、教えられることがたくさんありました。



 <明治14(1881)年3月4日。横浜港にハワイの国王、カラカウアがやってきた。近代日本が初めて迎える国家元首である。・・・皇居で明治天皇と会談した。・・・/カラカウアは何をしに来たのか。物見遊山ではない。交渉事があった。ハワイへの移民を日本の国策としてもらえないか。・・・/ハワイは米国に侵食されつつある。西洋人の齎(もたら)した疫病のせいでハワイ人は激減。米国からの移民が闊歩し、砂糖栽培で儲け、政治にも介入。この調子では早晩、植民地にされる。・・・/カラカウアは天皇に訴える。東洋諸国の大同盟を作ろう!・・・日本さえその気ならば、大同盟を説いて回るという。・・・/そこでカラカウアは大胆な提案を付け加えた。・・・山階宮定麿(やましなのみやさだまろ)王・・・素晴らしい青年だ。・・・姪を嫁として差し上げたい。/明治天皇も、岩倉具視や伊藤博文や大隈重信も困った。・・・大陸と半島のことでわが国は飽和している。・・・西南戦争からまだ4年。・・・太平洋のことまで考えられない。日本はハワイの提案を、移民の件以外はすべて斥(しりぞ)けた。・・・/ハワイが米国に併合されたのはそれから17年後。・・・> 日本の真珠湾攻撃は60年後。



 こんなふうなコラムが続きます。ロシアとウクライナの歴史的な関係とか、台湾に逃れた蒋介石が中国本土へ侵攻しようとして米国・ケネディ大統領に武器援助を頼んだが断られた話など興味深い話題が満載です。歴史を知ることによって、現在の有りようの基盤が見えてくるような気になります。



#「何を考えていたのか?」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2023-06-16


歴史は予言する(新潮新書)

歴史は予言する(新潮新書)

  • 作者: 片山杜秀
  • 出版社/新潮社
  • メディア: Kindle版

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