日々の想い [雑感]
友人たちの関係した施設でも、次々と新型コロナウイルスの感染が起こっています。人口密度の高い地域では既に、それだけ社会にウイルスが潜入しているのでしょう。こうなれば可能な限り人との接触を避ける以外に、流行を止める手段はないのでしょう。ひたすらワクチンの開発を待つのみです。
わたしの方は丁度、時を同じくして月に1度、免疫抑制作用の強い治療を始め、先日、第4クールが終わりました。その度に、白血球が減った状態で病院に出入りするのは、段々と不安になってきます。どこの病院でも院内感染の危険性は常にあります。
今回は2日目の夜の頑固なシャックリが無かったのは助かりました。しかし、今は味覚異常に悩まされています。シューシュポスの神話のように、やっと2週間ほどして食べられるようになったと思えば、また次の治療が始まり元に戻ります。ただあと2回と一応決まっているのが救いです。
この間、家内が読んでいる J.オースティン『高慢と偏見』(大島一彦訳 中公文庫)を聴いていました。18世紀の英国の限られた社会のお話しですが、女性作家の明るくて、機知に富み、皮肉っぽくもある語り口は楽しく、苦笑しながら、そんな人いるよなぁと物語に入り込めました。日本でいえば時代は違いますが、清少納言もこんな人だったんじゃないかと連想しました。
2020年は後年、新型コロナウイルス禍の年として記憶されるのでしょうが、その中で個々の人々がどんな風な想いで生きていたのか、こんなブログでもそんな一断片になるかも知れません。J.オースティンはフランス革命からナポレオンの時代を生きた人ですが、『高慢と偏見』にはそんな話は、みごとなほど一言も出てきませんでした。