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上京者の秘密 [読書]

  大学受験のとき、あまり遠くの学校は受ける気にはなりませんでした。せっかく遠方へ受験に行っても、受からなかったら、しんどいと思っていました。結果として関西の近くで済ませました。


 大学を卒業して、仕事に就くときも、手近な職場を選びました。以来 46年、同一県内で働いています。働き始めた頃、東京へ行った友人が電話で、東京へ出てこいと誘ってくれましたが、そんな気にはなりませんでした。


 岡崎武志『上京する文學』(ちくま文庫)は <故郷をあとにした作家たち、もしくは上京する若者を描いた作品たちを、「上京者」という視点から読んでみた> という本です。寺山修司、井上ひさし、宮沢賢治、松本清張、村上春樹、野呂邦暢、川端康成など 19人が取り上げられています。以前に読んだ著者の『ここが私の東京』(扶桑社)の前に書かれたもののようです。


 <上京者の清張は、作品の舞台として東京を多く描きながら、同時に東京を起点に地方へと目を向けた。(中略)清張の作品群は、地方をよく知る者の目が、東京という巨大な都市を見た時にどう映るかという実験でもあった。> と書いています。


 わたしは松本清張をほとんど読んでいないのですが、彼が地方と東京との関係に関心があったというのは分かるような気がします。「上京者」各人をそれぞれに、おもしろく語っています。



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