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ことばの由来 [読書]

言葉の由来や成り立ちを知るのはおもしろいものです。意外であったり、ビックリしたりします。「あかんべ」と下まぶたを指先で下方に押さえ、まぶたの裏の赤い部分を出すしぐさは「あかめ(赤目)」が変化した言葉だそうです。


 堀井令以知『語源をつきとめる』(講談社現代新書)は日本語の言葉の由来が俗説やこじつけ、当て字などに埋もれていることを例示し、日本語にはラテン語とフランス語のような同族の言語が不明なため、語源探索が困難であることを述べています。そして、先人の研究の足跡をたどり、時代による言葉の変化や方言の比較などによって言葉の根源を突きとめる過程を記しています。


 当て字や俗説にまみれた言葉の例として「あんばい」を挙げています。漢字で塩梅とか按配と書かれますので、< 塩と梅酢で味を付けるのでアンバイというなどのこじつけ説が流行(はや)った。また、アンバイは塩梅=エンバイの変化した形だなどという説もある。/しかし、実は、アンバイは漢語ではなくて和語のアワイからの語なのである。「間」という意味に近い語であった。> と解説しています。


 物の名前にも由来があります。「じゃがいも」がジャカトラ(ジャカルタ)芋から、「かぼちゃ」がカンボジアからきていることはよく知られていますが、「ほうれん草」がペルシャの漢語訳「頗陸 ポーロン」「菠薐 ポーレン」に由来しているとは驚かされます。

 

 言葉にはそれを使う人びとの歴史や習俗などが積み重なっています。語源をつきとめることによって日本人の暮らしが見えてきます。


「「だらしない」と「ふしだら」」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2019-12-12


語源をつきとめる (講談社現代新書)

語源をつきとめる (講談社現代新書)

  • 作者: 堀井 令以知
  • 出版社: 講談社
  • メディア: 新書

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