数日前、新聞をながめていると、イイダコが話題になっていました。イカナゴとともに瀬戸内海の春を感じさせる食べ物です。こどもの頃には、鍋一杯に煮て、飽きるほど食べました。
飯蛸に飯なき春の寒かな
飯蛸や浪の淡路の浅みどり
と紙面には高井几董(1741-1789)の句が紹介されていました。与謝蕪村の弟子筋のようです。
水に落し椿の氷る余寒哉
という句もあるようです。 1789年といえば、フランス革命の年として憶えていますが、そのころ本邦では飯蛸をシコシコ食べていたのかと思うと、微笑ましい限りです。