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ドン・キホーテって誰? [読書]


 7月中旬から『ドン・キホーテ』を読んでいましたが、先日、前篇を読了しました。ここまでは半世紀前、大学生の頃にも読んでいたのですが、今回は後篇も読み通すつもりだったのですが・・・やっぱり、ここで止まってしまいました。



 読み出して覚えていたのはドン・キホーテが風車に挑みかかる場面くらいで、あとは全く記憶にありませんでした。そもそも物語は二重構造になっていたのでした。



 中世の騎士道物語を読みすぎて、物語の世界に入り込んでしまったドン・キホーテが、サンチョ・パンサを従え、遍歴の旅に出かけ、行く先々でトラブルを引き起こすドタバタ喜劇(現実的なサンチョ・パンサとの掛け合いが絶妙)の間に、旅先で出会った人びとが中心となる恋愛話や冒険譚が劇中劇のように挟まれています。一見、ドン・キホーテは劇中劇のための狂言回し役とも言えます。



 400年も前の小説ですが、イスラム教徒とキリスト教徒の諍いや、地中海の海賊など現代につながる話題もあります。そしてこれは、妄想に取り憑かれた人が惹き起こす喜劇ですが、周りの人々にとっては悲惨な災難であり、また一面、理想を実現しようと奮闘する人の悲劇とも読むことができます。



  また、今の生活から抜け出したい一心で、ドン・キホーテに従う ”世知に長けた” 近代人サンチョ・パンサの滑稽と悲惨も心に残ります。



  こうして眺めてみると、例えば「寅さん」が小型のドン・キホーテのようにも見えてきたりします。子供から大人まで、いろいろに読め、楽しめる多面的な物語です。



 しかし、やっぱり長い、いくら時間があるといっても 400年前のペースに半年付き合うのは息が続きませんでした。後篇はまたの機会に致しましょう。



#「ラ・マンチャの男」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2024-07-30

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