早春の歌 [雑感]
日差しが明るくなっていますが、風が冷たく散歩に出かけるのをためらいます。梅林の開花やプロ野球のキャンプの話題が伝えられ、春が近づいている気分にはなります。新型コロナの第8波も収まりかけているので、これでいつもの春がやって来るのかと、やや安堵した気持ちになります。
しみじみとけふ降る雨はきさらぎの
春のはじめの雨にあらずや (若山牧水)
毎年、この季節になると、一雨ごとに暖かくなり、湿度も増し、インフルエンザが消退していく気になっていました。新型コロナも呼吸器感染なのに、季節性が無いのは不思議です。
風さむき早春の街用のあるごとく
無きごとくあゆめるあはれ (佐藤佐太郎)
近頃は、特に用もなく出歩くことが増えました。行ってもいいし、行かなくてもよいといった自由さです。時間に縛られないという気楽さは、幼児のとき以来かも知れません。あまりの自由さにとまどい自嘲する気持ちも感じられます。
わが心に光さしくるこの朝け
一花(いつくわ)ひらきて春はいたらむ (安田章生)
昨日は海岸に出かけましたが、海辺は思う以上に風が強く、帽子が飛ばされるほどで散歩はできませんでした。路傍に水仙が咲き始めていました。近くの漁港で太刀魚やアカイカ、ヒイカ、モンゴイカなどを買って帰りました。春の食卓の気分です。