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午睡の音楽 [音楽]

  音楽は音を出す人の息づかいや表情が表れるような身体的な表現ですが、録音された音楽だけを聴いていると、そんなことをつい忘れてしまいます。レコードも CDもなかった時代では、音楽は常に一回限りの催しだったことでしょう。


 そんなことを思ったのは、昼寝の BGMにフォーレのピアノ四重奏曲を聴いていた時です。ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4人が互いの音を聴きながら、それぞれが自分の音を紡ぎ出しているのが目に浮かぶようでした。優しげなヴァイオリンの響きに突然、力強いピアノが重なったりします。少人数での演奏なので身近に感じられたのでしょう。


 ジャズでも唄でも同じことでしょう。日頃、生演奏に接する機会が少ないので、つい当たり前のことを見逃しています。昔、誰だったかが、CDは旅行のときの絵葉書のように、思い出に買うものと言っていたのを憶えています。そんなものかと CDを見る目が変わりました.。


 夏の終わりの午後、音楽に聴き入っていると、寝そびれてしまいました。フォーレ(1845-1924)はパリのマドレーヌ寺院のオルガン弾きをしていたこともあるようです。日本でいえば幕末に生まれて大正末まで活躍したということになります。





(第3楽章より)

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