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雨の日の音楽 [音楽]

 雨の季節になりました。しばらくは鬱陶しい天気をやり過ごすほかありません。雨は唄によく歌われています。雨の唄でも聴いて楽しむのもいいかも知れません。ひとにより時代によりいろんな曲が思い浮かぶことでしょう。


 「雨がふります 雨がふる」、「あめあめふれふれ かあさんが」とか「雨はふるふる 城ヶ島の磯に 利休鼠の雨がふる」という北原白秋の作詞に始まり、「あなたを待てば雨が降る」や「小ぬか雨降る御堂筋」、「雨雨ふれふれ もっとふれ」など雨に関わる唄を探せば際限がありません。


 歌詞にはそれぞれ工夫がありますが、「利休鼠の雨」とは北原白秋しか思いつかない言葉でしょう。利休色は抹茶の黄緑ですが、それに灰色が混じった色のようです*。なんとも渋い雨の色です。


 洋楽ではミュージカル映画『雨に唄えば』や映画『明日に向って撃て』の主題歌『雨にぬれても』が思い出されます。十代のころラジオからは『雨に歩けば Just Walking In The Rain』とか『悲しき雨音 Rhythm Of The Rain』がよく流れていました。ボブ・ディランには意味深長な『雨の日の女』があり、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)には『雨を見たかい』という反戦歌ともいわれた唄がありました。


 ジャズ・ボーカルではスー・レイニー(Sue Raney)が自分の名前にちなんで、雨にまつわる唄を集め『雨の日のジャズ Songs for a Raney Day』というアルバムを作っています。


 カンツォーネでジリオラ・チンクェッティの『雨』は 1969年に流行りました。ボサノバの『三月の雨』は現代詩風の歌詞ですが、南半球なので夏の終わりの雨なのでしょう。


 もっと古くは、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番が「雨の歌」と呼ばれています。第3楽章に自身の歌曲『雨の歌』の旋律が使われているからだそうです。梅雨の時期に聴くにふさわしい、利休鼠の似合う曲調です。


 梅雨があければコロナ騒動も終わるのでしょうか? 4回目のワクチンはどうするか? 先日の念のための検査の結果はどうということもなく、夏には何処かへ出かけてみようか? 雨の日には取り留めなく思案にくれます。


 *『色の手帖』(小学館)





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