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音に浸る [音楽]

 今日はブルックナーの交響曲第4番「ロマンテック」を聴きました。クラウディオ・アバド指揮、ウィーン・フィル(1990年)です。秋めいてきた外気のように、爽やかで芯のしっかりした演奏でした


 ブルックナーの音楽を聴いていると、音によって湧き上がってくる心象風景の中を進んでいく気持ちになります。第1楽章では森の小道を辿って行き、ふと見上げると雪を頂いた山嶺が見えたりする。


 第2楽章では、夕映えの空を雲がゆっくりと流れていく。第3楽章では馬に乗って草原を駆ける心地よさを思います。第4楽章は山の頂から四周の移りゆく風景を眺めている。雲海が湧き、時に一陣の風が吹く。


 耳を澄ませ音に浸っていると、いつの間にか第4楽章の中ほどから眠っていたようです。気がつくと音楽は終わっていました。


 こんなに抵抗もなく深々と音の世界に入り込めるは、ブルックナーの音楽に特異的なように思います。






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