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音楽の捧げもの [音楽]

 ドイツの作曲家 J.S.バッハ(1685-1750)は日本でいえば、徳川八代将軍吉宗(1684-1751)と同じ時代を生きた人です。松尾芭蕉や近松門左衛門より一世代下になります。赤穂浪士の討ち入りの時、芭蕉はもう居ませんでしたが、バッハは 17歳でした。


 バッハは「黄金の国・ジパング」を知っていたでしょうか? マルコ・ポーロがアジアを旅したのはバッハより400年も前のことです。吉宗の当時、オランダとは長崎・出島での交易が続いていました。


 バッハの曲で最初に惹きこまれたのは、「ヴァイオリン・ソナタ第1番」でした。こんなに高貴で厳粛で妖艶な音楽があるのかと驚嘆しました。V.ムローヴァ(Vn)とB.カニーノ(P)の演奏でした。名作といわれる「マタイ受難曲」には「確かにこれはたまらんなァ」と一回聴いて、以後、近づいていません。日常的によくかけるのは「パルティータ」とか「フーガの技法」などです。


 「フーガの技法」はバッハの最後の曲で未完成で、演奏楽器の指定がないので、パイプオルガン、チェンバロ、ピアノ、弦楽四重奏、弦楽合奏など種々の演奏形態があり、それぞれ楽しめます。一つの旋律を次から次へと追いかけながら変転していき、突然、未完で終わります。


 こんなことを文案として考えているところに、友人から電話があり、いろんな話の最後に「最近、バッハのカンタータを聴いている」と言い出したのには驚きました。「ウムゥ、カンタータねえ、ぼくは聴いたことないな・・・。」そういえば若い頃、同僚でカンタータ全集を買ったとうれしそうに言っていた人が居たのを思い出しました。バッハにはいろんな楽しみ方があるようです。


 吉宗は病気の人に音楽を聴くのを勧めたそうですが、吉宗がバッハの「音楽の捧げもの」を聴いているというのも絵になる光景かも知れません。





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