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絵巻と書 [徘徊/旅行]

  出かけた名古屋で少し時間があったので、徳川美術館へ行ってみました。ちょうど「源氏物語絵巻」の「柏木(三)」と「宿木(一)」が展示されていました。毎年この時期に数点ずつ公開されるそうです。


 「源氏物語絵巻」は教科書などに載っていたと思いますが、引き目、鉤鼻のややしもぶくれな顔や、天井のない部屋の内部のようすなどの描写は教科書で見たとうりですが、案外、小さな絵で、九百年近くも前の巻物なので、それなりに燻んだ感じで、豪華絢爛という印象はありません。因みに江戸時代に描かれた「源氏物語絵巻」も展示されていましたが、人の顔は瓜実顔になっていました。


 特別展で良寛の書が百五十点も並んでいました。書道は小学生以来、縁がありませんが、こんなに屈託無く筆が運べたらいいだろうなと思いました。良寛は江戸時代後期の人間で、だんだんと不穏になる世を生きていますが、書にはそんな雰囲気はありません。彼の最期を看取った貞心尼は明治 5年まで生きています。 別に一休の書もありましたが、これはまた気迫に満ちた筆使いです。


 徳川美術館には尾張徳川家に伝わる鎧兜や刀剣、大名道具、茶道具、楽器なども展示されています。人も少ないので、ゆっくり眺めていられますが、こちらの体力がもちません。今回は「源氏物語絵巻」と良寛の書が見られたので、それでよしとする他ありません。

 

  月読のひかりを待ちて帰りませ

       山路は栗のいがの多きに (良寛)


#「寂聴さんの源氏」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2020-01-04

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