七つだち [読書]
旧暦の季節感や、昔の時刻の呼び方を身につけるのは、なかなか難しいものです。池内紀『東海道ふたり旅 道の文化史』(春秋社)を読んでいると、「お江戸日本橋 七つだち・・・」という唄が出てきます。「七つ」とは早朝 4時ごろだそうです。暗いうちに出立して、十里先の戸塚に最初の宿を取るのが一般的だったようです。日の出は高輪あたりで「明け六つ」です。
12時頃が「九つ」、2時頃が「八つ」と鐘の音で知らせる。ですから 2時頃は「お八つ」の時間です。「暮れ六つ」で日が沈む。
また十二支で言えば、前回の小説家・佐藤正午の正午は昼の 12時で、夜中の 12時は正子です。丑は真夜中。落語などでおなじみですが、はっきりとは理解していない、またすぐ忘れてしまうことが多いようです。
ふつか、みっか、というふうに日本では日のことを「か」と言います。「か読み」から「こよみ・暦」になったそうです。
梅 若菜 鞠子の宿のとろろ汁 (芭蕉)