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映画の白いタンポポ [読書]

 たまたま、川本三郎の新刊『映画の中にある如く』(キネマ旬報社)を読んでいると、広島・呉を舞台とするアニメ映画「この世界の片隅に」を話題にした項に、こんな文章がありました。


 <この映画で呉には、白いタンポポがある、と知った。普通、タンポポの花は黄色い。しかし、九州の柳川では白いタンポポが咲く。だから北原白秋は「廃れたる園に踏み入りたんぽぽの白きを踏めば春たけにける」と詠んだ。呉でも、白いタンポポが咲いたのか。>


 どんな場面なのかは分かりませんが、タンポポの白さが、北原白秋の短歌の記憶を呼び覚ましたのでしょう。 白秋にはタンポポのでてくる詩もあります。


 川本三郎が「キネマ旬報」に書いているコラム「映画を見ればわかること」のシリーズは楽しみにしています。今回で五冊目になります。 ほとんどは観たこともなく、観ることもない映画についての話が、なぜおもしろいのか不思議ですが、旅人に、知らない土地の話を聞くようなものかもしれません。


#「映画は読んでいる」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2014-09-25

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