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かすみとパン [読書]

 窓からの日差しが明るいので、外に出てみましたが、風はまだ冷たいです。本を読んでいると、気象用語では霞という言葉はないそうです。「霧」と、それより薄いのは「もや」ということです。


 ひさかたの天の香具山この夕べ霞たなびく春立つらしも(柿本人麻呂)


 万葉集の歌ですが、人麻呂より千年もあとの松尾芭蕉は


 春なれや名もなき山の朝がすみ


 と詠んでいます。 芭蕉のころには万葉集は、あまり知られていなかったようですが、「天の香具山」と「名もなき山」、「夕べ」と「朝」、いかにも俳諧的な工夫に思えます。なにか二人をつなぐ、本歌取りの歌があったのでしょうか。ただ、「朝がすみ」を「薄霞」とするものもあるようですが・・・。


 はやく暖かくなってほしいと思いながら、寝ころんで本をみています。 かすみを食って生きているわけではありまんが、パンはグルテンのせいか食べられません。たまには美味しいパンも食べたいものです。




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