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ことしの本など [読書]

 きのう新聞を見ると、書評欄は年末恒例の「ことしの3冊」をそれぞれの書評担当者が短評と共に挙げていました。何冊かは読んだ本もありましたが、まったく見たこともない本も多数ありました。 


 最も多くの評者が推したのが、國分功一郎『中動態の世界』(医学書院)でした。題名からはどんな内容なのか想像できませんし、一般の書店では見かけにくい出版社のものなので、よっぽど興味深いのだろうと思われます。能動でもなく受動でもない世界・・・ということのようですが・・・どこかで見つけたら、パラパラ、眺めてみようという気になります。


 新聞は新刊本の紹介ですが、普段、読むのは古いものから新しいものまでさまざまです。ことし読んでおもしろかったのは、今更ですが、福沢諭吉『福翁自伝』(岩波文庫)でした。他には森まゆみ『子規の音』(新潮社)、村井康彦『出雲と大和』(岩波新書)とか・・・いくつか思いうかぶ程度です。


 いま読んでいるのは、杉本鉞子『武士の娘』(小坂恵理訳 PHP)です。明治 6年に越後・長岡に生まれ、25歳で渡米した著者が、1925年に『A Daughter of the Samurai』として出版した自伝風物語の新訳です。


 <将軍側の負け戦が確実になると、長岡藩は絶望のどん底に突き落とされました。戦に敗れて夫が囚われの身となったことを知った母は、家族を安全な場所に避難させたうえで、屋敷に火を放ちました。>


 150年ほど前の世の中が生々しく語られています。歴史の本では伝わらない、人間のにおいが漂っています。自伝のおもしろさでしょう。しばらくは寝るまえの楽しみとなりそうです。




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