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うつりかわり [雑感]

 木下杢太郎 画『新編 百花譜百選』(岩波文庫)をながめていると、かはらなでしこ(河原撫子)の絵がありました。ピンクの花をつける野草です。こどもの頃には野原やあぜ道でよくみかけましたが、ながいこと野生のものは見た記憶がありません。十年ほどまえ、福井で道ばたに植えられているのをみました。白い花のものもありました。

 かってはどこにでもあったものが、いつのまにか無くなってしまう現象に、いろいろと出会うのは、それだけ長く生きてきたということなのでしょう。

 こどものころには、読み書きのできない大人がまわりに何人もいました。人形浄瑠璃のお師匠さんとか、子守りのおばあさんとか・・・キセルで煙草を喫っていたすがたを想い出します。となりのお婆さんは道端で立ったまま小用をしていました。

 秋の稲刈りのあとの田圃は少年野球のグラウンドでした。低学年から高学年まで群れて遊んでいました。いまは高齢者がグラウンド・ゴルフをしています。社会は変化し続けています。いろんな現象を眺めて、楽しんでいられるのは年いった者の特権です。

 #「居なくなったもの」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2015-06-15


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