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セミが鳴いた [雑感]

 きょう、いっとき太陽が現れたとき、セミが一斉に鳴き出しました。ほんの数分でしたが、ことし始めて聴きました。そのあと、また雨が降りだしました・・・。

 動物学者の日高敏隆さんのエッセイにはよくセミの話題がでてきます。こどものころ東京にはクマゼミがいなかったとか、アメリカには十七年に一回とか、十三年に一回しか親のセミが現われないという変わったセミがいるとか。

 セミの鳴き声は夏のはじまりから終わりまでの時間の感覚にピッタリと一致しているような気がします。

 だれだったか、人間の興味は成長につれて、寿命の短いものから長いものへと移っていくといっていました。チョウチョ、トンボからイヌ、ネコ、そしてヒトへ。つぎは樹木で最後は石。そういう意味ではセミも寿命を意識させるいきものです。

 伊賀上野時代に芭蕉が仕えた人の俳号は蝉吟というそうで、後年、「閑さや岩にしみ入る・・・」と詠んだとき、そのことがおもいの中にあったはず、というようなことを嵐山光三郎が書いていました。