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「赤蛙」の記憶 [読書]

 ふと憶い出したのですが、高校生のころ島木健作の『赤蛙』という短篇が気にいって、同級生に勧めたりしていました。「『城の崎にて』よりいいよ」。 昭和三十年代は志賀直哉の小説がよく読まれていました。教科書にも定番のように載っていました。

 なぜ島木健作だったのかは記憶にありません。ただ、今ではあまり知られていない作家ですが、当時は普通に文庫本で並んでいたと思います。

 文庫本も案外、出入りが激しくて、知らないあいだに棚から消えてしまう作家はたくさんいます。さいわい青空文庫に『赤蛙』があって、久しぶりに読んでみました。

 話しのすじは、おぼえていたのとは少し、違っていました。記憶はいつのまにか『城の崎にて』と混線してしまっていたのでしょう。しかし、五十年前にいいと思った感覚は、いまも変わりませんでした。

#「こころに残る短篇小説」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2019-06-24


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