音楽の新生 [音楽]
週末には何曲か音楽をききますが、シューマンの弦楽四重奏曲第1番というのを初めて聴きました。思いのほか耳になじみ易く、またもう一度、ゆっくり聴きなおしてもいいと思えました。
クラシック音楽にはここしばらく、新曲がないに等しい状態が続いているので、古典落語と同じように、誰がどんなふうに演じるかというような、マニアックな話題に陥りやすい。どんどんレパートリーが広がって、新しい体験がしたいものです。
丸谷才一は『月とメロン』(文藝春秋)でアルゼンチンの A.ピアソラ(作曲家・演奏家)への熱中を書き、ブエノスアイレスという辺境性がしっかり普遍的なものと結びついている、故郷喪失者となることで、世界市民となったと、その魅力を語っています。
南米にはヴィラ=ロボスという作曲家もいて、「ブラジル風バッハ 第1−9番」はとても気持ちの良い、そよ風に吹かれているような気分になる曲集です。
音楽もやはり、新しい出会いと衝突によって新生されるものなのでしょう。