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生命力 [雑感]

 春休みになって、七歳の孫がやってきました。普段、夫婦二人の生活なので、あらためて子供の活動量の多さに驚かされます。休むことなく常に体動し、笑い、要求し、質問し、眠っているあいだも手足を動かし、しゃべります。

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 それにくらべ、いつの間にか活動量が低下している自分に気付き、愕然とします。なんとか生命力を回復し、七歳のこどもより遠投で10センチでも遠くへ投げたいものです。



春爛漫 [雑感]

 通勤の道すがら桜が咲いていますが、風は冷たく、今朝は山のほうでは水が凍っていたそうです。年度末で人の移動の時期です。

 「年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず」と申しますが・・・と歓送迎会のたびに毎年、同じ挨拶をしていた先生を思い出します。

 生ワカメが届いて、どうしたものかと、家内がとりあえず茹でて、ベランダに干しました。折からの好天と冷風で一日で乾物になりました。取り込みながら齧ってみると、瀬戸内海の塩味がしました。

 来週には春爛漫の花の色となるでしょう。歳歳年年人同じからずを今年もまた実感することになります。



Shadows in the night [音楽]

 ラジオでボブ・ディランの新作CDが話題になっていました。なんと、フランク・シナトラ・トリビュート・アルバムということです。なるほど、アメリカン・ポピュラー・ソングの底流は、やはり両者をつないでいたのかと、納得した気分になりました。

 CDを聴いてみると、縹渺とした声がさまよう影のように唄っていました。「枯葉」やリチャード・ロジャースの「魅惑の宵」もうたっています。Track 10 の曲(That Lucky Old Sun)などいい歌です。もう三十年もまえの彼の声しか知らなかったので、こんな声でうたうようになったのかと、歳月の経過を感じました。もちろん彼は歌にあわせて声を操っている面もあるのでしょうが・・・。
 
#「「枯葉」の季節」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2017-11-08 
 


ちょっとした本 [読書]

 何年かまえに買って、そのままになっていた筒井清忠『西條八十』(中公叢書)を読みました。特に西條八十に興味があったわけでは無いのですが、十年ほど前にこの本が、たしか読売文学賞をもらっていた記憶があって、いつか読むかも・・と、みかけた時に買っておいたのです。

 本は目についたときに買っておかないと、一ヶ月もすると店頭から消えてしまいます。何年もたってから、旅行先の古本屋さんに、そんな本が思いがけず並んでいると、何ともいえずいい気分になります。これで何も買わずに小さな店を出て行く、ちょっとした気まずさからも免れられます。  いまは思いついたときにネットを利用すれば、大抵のものが手に入ってしまいますが・・・注文するほどでもない、ちょっとした本というのが結構多いものです。

 読売文学賞は小説ばかりではなく、評論、伝記、紀行や詩歌などの分野からそれぞれ選考されているので、本を選ぶ参考になります。また、自分が読んでおもしろかった本が受賞すると、少し安心します。星野博美『コンニャク屋漂流記』や嵐山光三郎『悪党芭蕉』などはそんな本です。


「サウンド・オブ・ミュージック」 [音楽]

 夕方、車に乗っていると、FMラジオで「サウンド・オブ・ミュージック」の特集をやっていました。サウンド・トラックがながれてくるので、映画の場面を思い出します。

 映画は高校2年生(1965年)のときに三宮センター街の大洋劇場で観た記憶があります。いまはそんな映画館はなくなっていますが・・・。

 去年、なんの本だったかを読んでいると、Do-Re-Mi の歌は原詞では「・・・Ray,a drop of golden sun 」となっているところう、ペギー葉山の歌詞では「レはレモンのレ」となっていますが、Re はLemon のRe ではおかしいと書いていました。ペギー葉山ほどのひとでもRとL には無頓着だったのでしょうか。わたしにはまったく分かりませんが・・・。

 こどもたちが、「さようなら、ごきげんよう」の歌を唄いながら舞台から立ち去っていくシーンはハラハラしますし、修道女が車の部品を取り外しておいた機転には笑いがあふれます。

 リチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタイン二世作詞というアメリカン・ポピュラー・ソングの黄金時代の最後の輝きだったのでしょう・・・もうすぐロックの時代が始まろうとしていました。

#「「Moon river」のこと」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2014-09-28

椿の落ち方 [読書]

 やはり二月はいつの間にかすぎて、今日から三月ですが、終日、雨が降って寒いです。早々にカーテンを閉めて、部屋が冷えるのを防ぎます。

 落ちざまに水こぼしけり花椿 (芭蕉)


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 椿落ちてきのふの雨をこぼしけり (蕪村)

 以前に読んだ高橋治『蕪村春秋』は映画に関係のあったひとならではの、映像的な分析が新鮮でした。椿の花をみるといつもこの本を思い出します。

 芭蕉がいて蕪村がいて、それぞれに異才を発揮するおもしろさ・・・ただただ感嘆します。

 「落ちざまに虻を伏せたる椿かな(漱石)はやはり少し戯画に過ぎるようですね。