永遠の少年 [読書]
ミシシッピー川を筏に乗って下っていくのは、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』ですが、浮浪児の快活で辛辣なroad ならぬ river movie です。
荒野を行く lonesame cowboy の少年時代なのでしょうかね。
音楽の流れ [音楽]
アメリカへは行ったことがないので、テネシー州といっても想像がつきません。州都がナッシュヴィルで一番大きな市がメンフィスだと聞けば、なんとなく思い出すことがあります。
ナッシュヴィルがカントリー・ミュージックに縁が深く、ボブ・ディランに「ナッシュヴィル スカイライン」というアルバムがあったこと。メンフィスはブルースに関係があってB.B.キングが活躍したこと。またエルヴィス・プレスリーが住んでいたことなど・・・
テネシー川がオハイオ川に合流し、ミシシッピーにつながっていくそうです。
いつか、アメリカへも行ってみようかな。
ふと口ずさむ唄 [音楽]
映画「鉄道員 ぽっぽや」(降旗康男監督)で高倉健が「テネシー・ワルツ」を口ずさむ場面は意外で、印象的でした。
「テネシー・ワルツ」はパティ・ペイジの歌で知られていますが、日本では江利チエミがよく唄っていました。彼女のデビュー曲だそうです。
作詞家・阿久悠は『愛すべき名歌たち』(岩波新書)のなかで、昭和30年の春、東京での大学生活へと出立した時のことを <・・・北西の風が吹き、明石海峡に三角波が立っていた。ぼくは、ペンキ臭い船室で、これまでのこと、これからのことをあれこれ考えて、いくらか呆然としていたが、その時、思いがけなく「テネシー・ワルツ」をくちずさんだ。> と書いています。
ある年代のひとたちにとって、ふと、くちずさむ歌というのがあるのでしょうね。
車窓のながめ [雑感]
新幹線に初めて乗ったのはいつだったのか記憶がさだかではありませんが、汽車は7歳だったと思います。両親と姫新線に乗りました。車窓にミツマタが見え、「あれが和紙の原料」と父親に教えられました。トンネルが近づくと急いで窓を降ろしました。石炭の煙のにおいがたちこめました。
学生のころはD51とかSLの汽笛がよくメディアから聞こえてきました。まだ汽車は近い過去でした。
はじめて外国の列車に乗ったのは1976年でした。ウィーンからベネチアまで。コンパートメントという小部屋を体験しました。列車が国境を越えてイタリアに入ると、乗客の顔つきが変わるのに驚きました。地震のあとで、沿線の煉瓦の家がたくさん崩れていました。三匹の子豚の家のようだと思った記憶があります。
飛行機より列車で行ける所はなるべく列車でという選択をします。車窓をボーとながめているのがいいのでしょう。無駄な時間といえばそれはそうですが・・・。
浅川マキのこと [音楽]
「夜が明けたら/かもめ」の歌手・浅川マキは金沢のとなり町の出身です。金沢二水高校を卒業し、町役場に務めていたそうですが、東京へ出奔しました。
1968年、寺山修司にみいだされて脚光をあびました。
わたしが彼女の唄を聴いたのは1972年だったかな・・・
その当時、金沢から東京へは名古屋経由だったのでしょうか、それとも、直江津まわりでしょうか?
夜が明けたら 一番早い汽車に乗るから
切符を用意してちょうだい ~
聴きたいような、聞きたくないような彼女の声がいまでも耳底に響いています。
来春には北陸新幹線が金沢へ繋がります。
日本海の魚 [徘徊/旅行]
先週は連休だったので、旅行に行ってきました。どこでもよかったのですが、とりあえずホテルのとれた金沢にでかけました。あいにく朝から大雨でした。
翌朝、九谷陶芸村へ行くつもりが、なにを間違えたのかJR大聖寺駅で降りてしまい、そういえば百名山の深田久弥の出身地だと思い「深田久弥 山の文化館」へ行ってみました。
百名山にはほとんど登ったことはありません。二十年ほど前に子供たちを連れて伯耆大山に登頂したことがあるくらいです。ただ山のふもとを巡ることはときにあります。以前、霧ヶ峰を歩いていて、右に槍ケ岳、左に富士山が見えたのには感激しました。
『言葉の海へ』とか『木に会う』の著者の高田宏がここの館長をしていたはずと思って、事務所のひとに聞いてみると病気をされて療養中とのことでした。そういえば最近は本屋さんでも著作をみかけることもあまりないようです。わたしが島崎藤村『夜明け前』を買ったのは彼の影響だったと思い出します。
ホテルの夜はひまなので、金沢駅の隣の本屋さんで渡辺京二『無名の人生』(文春新書)を買ってきて読みました。『逝きし世の面影』の誕生譚など、おもしろく読めました。ただ「私の理想は、無名のうちに慎ましく生きて、何も声を上げずに死んでしまうことです。」といわれても、もう十分に有名ですよと突っ込みたくなります。
カニの解禁はまだだし、貧弱な食生活を反省しつつ、日本海のさかなを食べました。