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霧の匂い [読書]

 高校生のころ、神戸にでかけ、夕方、帰りの船に乗ろうと港にゆくと、一面の濃霧で船が欠航し、島に帰れなかったことがありました。

 「乾燥した東京の冬には一年に一度あるかないかだけれど、ほんとうにまれに霧が出ることがある。夜、仕事を終えて外に出たときに、霧がかかっていると、あ、この匂いは知ってる、と思う。」 須賀敦子『ミラノ 霧の風景』(白水社)の印象的な書き出しです。1990年の刊行ですが、ほんの十年に満たない活躍で著者は霧のむこうへ旅立ちました。

 本屋さんに松山巖『須賀敦子の方へ』(新潮社)が並んでいましたので買ってきました。しばらく寝る前のたのしみにします。

 そういえば以前、考古学者の森浩一さんの本を立ち読みしていると、須賀敦子といとこになるとのことで、子供時代の思い出が記されていました。いろんなつながりがあるものですね。

#「食べ物の話」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2014-10-30




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