本の旬 [読書]
読もうと思いながら本棚に置いたままになっている本はたくさんあります。谷崎潤一郎訳および瀬戸内寂聴訳の『源氏物語』、ドストエフスキー『悪霊』、ヘロドトス『歴史』、ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』・・・数えあげれば気分が落ち込みます。
買ったときは読もうと思ったか、いずれ読むだろうと思っていたかのどちらかだったのでしょうが、今となっては文字が小さい、行間が狭い、寝転がって読むには重いなど物理的な制約も増えてきます。
買った勢いで一気に読むのがよかったのでしょうが、日々の生活に追われて、つい本棚に立ててしまったのが運のツキで、長いものでは何十年もそのままになっています。
それでもこりずに本屋さんにたびたび出かけて、おもしろそうな本がないかと物色します。ただ、以前に比べると買おうか買おまいかの判断に、自分の持ち時間という係数が加味されるようになりました。
若い頃に読みそこねた本を、思い出して、年たけて読むと気のぬけたサイダーのように感じることがあります。誰かが言っていたように、本にも「しゅん」があるようです。
8月に読み始めたダンテ『神曲』はあと数日で地獄篇がおわりそうです。今年中に天国篇にいけるかな?