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白洲正子『かくれ里』のこと [読書]

 ふと思い立って、ふらっと出かけるのが好きな人間にとって、白洲正子『かくれ里』は格好の道づれです。関西から越前、美濃あたりまでの地域で「秘境と呼ぶほど人里離れた山奥ではなく、ほんのちょっと街道筋からそれた所」に隠れた歴史や美術をみつけ、考えながら、ほっつき歩くような道中記です。

 丹生都比売神社の項には天野の里がでてきます。高野山の町石道の麓の村です。西行の妻と娘のものといわれる宝篋印塔があったり、俊寛の家来・有王の墓などがあって伝説の多いところです。『かくれ里』を教えてくれた叔父を案内したことがあります。子供たちがまだ小さかったころ、何度か散歩に行ったこともありす。

 ときどき思い出しては、拾い読みして、ほっつき歩きの楽しみのご相伴にあずかります。本の内容はすぐに忘れてしまいますが、かくれ里を巡り歩く白洲正子の情熱がこころに残ります。

  #「ぼくの叔父さん」https://otomoji-14.blog.ss-blog.jp/2014-09-10


かくれ里

かくれ里

  • 作者: 白洲 正子
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 1971/12/10
  • メディア: 単行本


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