夢の島 [雑感]
所用があって淡路島に帰郷してきました。飛び石の休みなので人出が多いかと思いましたがそれ程ではありませんでした。1年半ぶりに西浦の道を通りましたが、いつのまにか新しい建物が建って、若者が行列している店が何軒もありました。ケーキ屋さんとかレストラン、ホテルなどで、海沿いのひなびた休耕田の中に、周囲の景観とは不釣り合いにポツンと立っています。
実家の兄に「変わった店がポコポコ建ってるね」と言うと、休日は店に入る車で大渋滞になるんだそうです。人材派遣会社が本社を島に移転してきて、アニメパークとかいろんな施設を作り、近くに安藤忠雄さんの設計した建造物があったり、それにつれてレストランやホテルが出来て、西浦はいまや「西海岸」と呼ばれているのだそうです。
明石海峡大橋で神戸・大阪から1時間ほどで来られ、海に落ちる夕日が眺められ、魚は新鮮で、地価が安いと関心が高まっているようです。中小企業の兄は求人の人件費が高くなって困るとぼやいていました。
人気が高まっている一方、わたしが子供のころには、たらふく食べられていた飯蛸やイカナゴは不漁が続き、タコも少なくなっているそうです。村は子供たちが減少し、小学校は廃校になり、八百屋、魚屋は廃業し、かといってコンビニもなく生活基盤が崩壊しています。そんな村の休耕田のなかのケーキ屋さんに、若者が長蛇の列をなしているのは不思議な光景でした。
しばらく会わなかった間に叔母たちは老い、耳が遠くなって話が伝わりにくくなり、おしゃべりの輪から外れてしまい寂しそうな表情になります。年がいくと1年はすぐ過ぎますが、変化はそれ以上に早いようです。
蛸壺やはかなき夢を夏の月 (芭蕉)
ふるさとの町がにぎやかになることは
いいことだとは思いますが小学校廃校や
商店がなくなったりは寂しいですね。
西海岸・・・住みやすそうな雰囲気です。
by yoko-minato (2020-11-04 06:22)
自分が育ったころの雰囲気が失われる
のに違和感を感じるのでしょうね。新しい
風景に描き変えられているようです。
by 爛漫亭 (2020-11-04 09:31)
先週末同僚の故郷につれって貰い、稲刈り中の景色を見たときに、子どもの頃の景色が重なりました。道で、40年ほど前に走っていた車を見ます。古い友達に会った様な気持ちになります。時々タイムマシンに乗って来たような時があって面白いです。
by さっかん (2020-11-04 23:15)
近代化とかグローバリゼーションとか変化が
社会の枠組みを壊していきますね。学生のころ
教祖先生は「阪和線」が開通してこのあたりは
悪くなったと語っていました。
by 爛漫亭 (2020-11-05 09:37)