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南からの雨 [雑感]

 今日は朝から春の雨風です。南からの風が冬を追っぱらっているようです。 西脇順三郎の詩が思いだされます。


     雨

  南風は柔い女神をもたらした。

  青銅をぬらした、噴水をぬらした、

   ツバメの羽と黄金の毛をぬらした、

  潮をぬらし、砂をぬらし、魚をぬらした。

  静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした、

  この静かな柔い女神の行列が

  私の舌をぬらした。


 学生時代に英語を習った先生は、西脇順三郎の講演を聴いたことがあると言っていました。そのころ読んでいた「現代詩手帖」に、晩年の長い長い詩がときおり載っていました。西脇順三郎は絵を描いていて、画集が出たとき買って、いまも本箱の隅に立っています。


 上越新幹線に乗ったとき、西脇の出生地の近くだと、あたりを見回したことがあります。小千谷へは行ったことはありません。 彼は教職にあるとき、江藤淳を嫌って、彼が出席すると西脇は教室に出なかったと四方田犬彦が書いていました。わたしは、そんなことは知らず、『江藤淳著作集』と『西脇順三郎 詩と詩論』を本箱に並べていました。



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