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寅さんの背景 [読書]

 このあいだ出かけた富山の八尾(やつお)という町は、寅さんが啖呵売していそうな雰囲気ですが、映画の舞台にはなっていないようです。富山県は一度も寅さんと関係がなかった、数少ない県のひとつだそうです。


 映画「男はつらいよ」の第一作が公開されたのは 1969年8月だそうですが、その後、1995年まで 48作もありますが、一度も映画館でみた記憶はありません。折にふれテレビで放送されているのを見る程度です。


 川本三郎『「男はつらいよ」を旅する』(新潮選書)は沖縄から北海道まで、ロケ地をめぐる紀行の書です。


 <実は、沖縄にはこれまで一度も行ったことがない。・・・行きたくなかった。昭和十九年(一九四四)生まれの人間にとっては、沖縄は「戦争の悲劇の島」というイメージが強く、そういうところへ観光に行くのは、なんというか、気が引けた。>


 <第一作が公開された一九六九年四月、私は朝日新聞社に入社し、「週刊朝日」に配属された。・・・当時の映画ファンのあいだでは大島渚やゴダール、あるいは東映やくざを語ることが盛んだったから「『男はつらいよ』が好き」とはなかなか言えなかった。>


 関西に住む人間にとっては、葛飾柴又といっても土地勘がありません。地図をみると、上野から常磐線に乗って、荒川と江戸川のあいだあたりです。江戸川をわたるともう、千葉県です。東京の下町とはいえず、<市中から遠く離れた「近所田舎」>だそうです。柴又と松戸を渡すのが「矢切の渡し」です。


 概して初期の、寅次郎が元気で無茶をする頃のが、おもしろいと思います。年がいくと少し痛々しくなります。知っている町が出てくると、二倍楽しめます。大洲とか高梁とか丹後半島とか・・・。


 そういえば 1969年から 1995年までというのは、安田講堂から阪神淡路大震災までという時代区分だったのですね。「奮闘努力の甲斐もなく、今日も涙の日が落ちる」。





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