どちらが方言 [雑感]
七月になりました。以前、ワープロを使っていたころ、「七」を入力するのに苦労したことがあります。わたしの言い方では「ひち」、「はち」、「く」なのに、いくら「ひち」と入れても「七」に変換されません。「やおやおひち」も出てきません。やむをえず「なな」と打って変換しました。
八百屋お七を辞典でみると、不思議なことに「やおやおしち」となっています。「しち」は舌を噛みそうで、とても発音できません。家内に五、六、七を言わせると、ちゃんと「ひち」といいます。辞典を見せると家内も首をかしげます。
息子が二階から降りてきたので、五、六、七を言わせると、さも当然といったふうに「しち」と発音します。「いつからそんなふうになったんや ? 」と問うと、びっくりしたように「最初からそや」といいます。「ひち」というのは私たち夫婦の家郷の方言だったのかと愕然としました。それでも七輪はやっぱり「ひちりん」だし「ひちひち四十九」と憶えたと、なんとなく納得できない気分でした。
先日、井上章一というひとの新書を家内が読んでいるのを、覗いてみると、彼もやはり「七」は「ひち」だと主張していました。ちなみに著者は嵯峨の出身だそうです。ほかにも「ひち」という地方があったのかと安心しました。ひょっとすると「しち」というのは、関東地方の方言なのかもしれません。
西陣でも洛中でも七は「ひち」です。「しち」は東の夷の言葉とまで言えば京都ナショナリズムということになりそうです。そういえば淡路島にもオノコロジマナショナリズムみたいなものがあるように感じたことがあります。ナショナリズムという言葉がよくなければ郷土愛ですね。
by chonki (2016-07-04 13:20)
「ひ」で驚いたのは「ひつこい」も辞書にないことです。「しつこい」と「ひつこい」は別の言葉と思っていました。盲点のようなものです。
by 爛漫亭 (2016-07-08 18:53)