春の岬 旅のをはりの鷗どり
浮きつつ遠くなりにけるかも
(三好達治)
詩碑は達治ゆかりの福井県の東尋坊にたっていますが、ゆったりとした歌の調子からは、どこか温暖な地方の岬がふさわしいように思えます。
高田宏『岬へ』は雑誌「旅」に連載した各地の岬への紀行集です。まず最初が犬吠埼で、日の出の情景を記録しています。次が丹後半島の経ケ岬の小ぶりな白い灯台・・・
以前、伊良湖岬からフェリーに乗って鳥羽へ渡ったことがあります。途中、三島由紀夫の『潮騒』の舞台となった神島が左舷に見えます。岩肌にへばりついたような村が見渡せます。
明日は冬至ですが、寒い日に春の岬を想像すると少し温かくなります。
岬へ 単行本
- 作者: 高田 宏
- 出版社/メーカー: JTB
- 発売日: 1994/06
- メディア: 単行本
2014-12-21 21:58
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