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月と星 [雑感]

 月みれば千々にものこそかなしけれ
   わがみひとつの秋にはあらねど (大江千里)

 Moon river から色々な連想がめぐります。月の沙漠、荒城の月、月がとっても青いから、月の法善寺横丁、月がわびしい路地裏の、月も知ってるおいらの意気地・・・などなど、昭和三十年代ごろまでなら、いくらでもでてきます。

 以前読んだある本*に、1960年代になると月に代わって、星が歌われるようになる、というようなことが書かれていたのを思い出します。見上げてごらん夜の星を、星空に両手をあげて、空に星があるように、二人の星をさがそうよ・・・希望には星がふさわしい、月は一つだけれども、星はいっぱいある、星条旗のように・・・時代の変わり目は唄にも現れていたのですね。

 月天心 貧しき町を通りけり (蕪村)

*村瀬学『なぜ「丘」をうたう歌謡曲がたくさんつくられてきたのか』(春秋社)


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